中島啓太、賞金王決定へ初日48位から2差9位「勝負の一日」赤の闘魂ウエアで67


3番でティーショットを放つ中島啓太(カメラ・豊田 秀一)

3番でティーショットを放つ中島啓太(カメラ・豊田 秀一)

◆男子プロゴルフツアー カシオワールドオープン 第3日(25日、高知・Kochi黒潮CC=7335ヤード、パー72)

 賞金ランク1位で26位から出た中島啓太(23)=フリー=は6バーディー、1ボギーでこの日のベストスコア67をマークして通算8アンダーとし、首位と2打差の9位に浮上した。勝負の赤ウェアで闘魂注入。今大会での賞金王決定を視界に捉えた。8位で出た同ランク2位の金谷拓実(25)=Yogibo=が68で回って10アンダーとし、首位に並んだ。同ランク3位で70で回った蝉川泰果(22)=フリー=も8アンダー9位で最終日を迎える。

 6つのバーディーを重ね、中島が賞金王決着へ猛追を見せた。「まずはスコアを伸ばさないと話にならなかったので、伸ばせて良かった。いい流れで5つ伸ばせたので、明日につながる」。初日の48位から日を追うごとに順位を上げ、優勝争いに加わった。

 インスタートの“裏街道”から、一気に来た。前半16番で1・4メートルのチャンスを決めきれなかった直後の17番のバーディーにこそ、中島のすごさがつまっていた。フェアウェーながら前上がり、左足上がりの難しいライからの第2打は残り146ヤードで風はアゲンスト。左から9ヤード、手前から10ヤードに切られたピンはマウンドのテッペンにあった。7アイアンで軽めに打ったショットを、ここしかないという左奥2メートルにつけてバーディーを奪った。

 今季3勝目を挙げたマイナビABC選手権から3週連続で最終日に着用していた赤の勝負ウェアを3日目に投入し、闘魂を注入。「今日が自分の中で勝負の一日だったので、赤を着た」と理由を明かした。「今日スコアを伸ばせずに終わってしまったら、優勝を諦めるしかなかった。明日優勝を狙える位置まで上がってきたので、優勝を意識しながらプレーしたい」と口にした。最終日は「他が残っていないから」とはにかみながら、黒を着用予定だ。

 賞金王レースで2位以下に約4033万円をつけている。第2ラウンドスタート前にランク4位の今平周吾は棄権したため、現在賞金王の可能性を残すのは中島、金谷、蝉川、5位の宋永漢の4人。中島が他の3人より上位で終われば、無条件で今大会での賞金王が決まる。初日に4打あった金谷との差を、一日1打ずつ詰めてきた。「トップにいるのが金谷さんなので自分が勝つしかない。優勝を見てプレーしたい」。逆転で今季4勝目を挙げ、石川遼(18歳)、松山英樹(21歳)に次ぐ年少3位となる23歳でのキング戴冠を決める。(高木 恵)

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