金谷拓実、大観衆引き連れ“令和の名勝負”中島啓太と1差2位発進「2人で伸ばし合えたら」


ホールアウトし、中島(右)と握手する金谷(カメラ・今成 良輔)

ホールアウトし、中島(右)と握手する金谷(カメラ・今成 良輔)

◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第1日(30日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 賞金ランク2位で2年ぶり3度目出場の金谷拓実(25)=Yogibo=が6バーディー、ボギーなしの6アンダー、64で回り、1打差2位で好発進した。7アンダー首位の賞金王・中島啓太(23)=フリー=との最終組対決で、互いに一歩も引かぬ熱い“令和の名勝負”を繰り広げてギャラリーを沸かせた。

 賞金王は中島にさらわれたが冬空の下、金谷が色づく木々に負けない存在感を発揮した。賞金ランク1、2位の“初日ワンツーフィニッシュ”を決めた。「本当に良いプレーができた。ノーボギーでプレーできたのがすごく良かった」。蝉川とともに3人1組の最終組ラウンドは大勢の観客を引き連れ、盛り上がった。

 1番で2メートルのバーディーを決めると、右手を上げて歓声に応えた。中島が4番でイーグルを決めた後も賞金王から離されず、バーディーを重ねた。「中島選手の完璧なゴルフと一緒に僕もスコアを伸ばせた」。前半で3つ伸ばし、後半も好調なショットを軸に14番で2メートル、16番で5メートルを沈めるなど見事な内容だった。

 パーオン率は全体トップの88・89%を記録。64は大会9ラウンド目で自己最少だ。前週に賞金王争いが決着し、今大会前に「今まで張り詰めていたものもなくなってしまった…」とこぼした。それでも、今季賞金ランク3位以内なら来年の欧州DPツアー出場権獲得となるため、心は燃えている。目の前にいる中島に引っ張られる形でも、良い緊張感が保てたようだ。

 過去に出場した20年(5位)は新型コロナ禍で無観客。21年(3位)は入場券の販売枚数に制限が設けられ、今年は入場制限を4年ぶりに解除しての実施となった。ツアー屈指の観客数を誇るメジャーで「たくさんの方に足を運んでもらい、歓声や拍手で僕たち選手のパフォーマンスは上がる。気持ちよくプレーできた」とギャラリーに感謝した。

 6月のBMW日本ツアー選手権森ビル杯に続くメジャー2冠目なら、81年の羽川豊(23歳363日)に次ぐツアー2番目の年少記録となる。「残り3日、今年の集大成なので、自分らしいプレーで優勝目指して頑張りたい」。第2日(12月1日)も中島と同組で「しっかり2人で伸ばし合えたら」と真冬の熱戦を約束した。(岩原 正幸)

最新のカテゴリー記事