谷原秀人、唯一ノーボギーで史上2人目の3連覇へ5差4位浮上「僕はこっそりついていけたら」


1番、優勝トロフィーを横目に素振りを行う谷原秀人(カメラ・竜田 卓)

1番、優勝トロフィーを横目に素振りを行う谷原秀人(カメラ・竜田 卓)

◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第2日(1日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 史上2人目の3連覇を狙う谷原秀人(45)=国際スポーツ振興協会=が4バーディー、この日唯一のボギーなしで66をマークし、6アンダーで5打差4位に浮上した。

 45歳の昨季王者・谷原が“大人”のゴルフで浮上した。名物の難関18番パー3。第1打はピン左に着弾も、急傾斜を下ってピン左手前約12メートルへ。ピンチと思いきや観客のため息をかき消した2打目はパターで約1メートル半へと冷静に寄せてパーで終えた。「(ショットは)ひどかったが、よくアンダーで回れた」。出場30人最多15度目出場のパット巧者は、経験と熟練の技でスコアをつくり、この日唯一のノーボギーに納得の表情だった。

 2010~12年大会の藤田寛之以来、メジャー2人目(1973年のツアー制施行後)の3連覇がかかる。初日は4ボギーで9位発進。この日のテーマは「ボギーフリー」だった。前半に2つ伸ばすと、12番で約4メートル、16番では上った後、下る難しいラインを読み切り、約8メートルをねじ込むバーディーで流れを絶やさなかった。

 第2ラウンドを終え、賞金王の中島が首位、2位に金谷と蝉川。45歳は「上の3人が優勝争いをするだけで面白い」と20代の躍進に感心した。昨年は最終日に4差を逆転したベテランの最大武器は経験値だ。だれもが手を焼く高速グリーンの攻略法にピンの「手前から」と指摘。「3人にこっそりついて、例年通り(優勝へ)いけたら」と逆転Vを描いた。

 今年の流行語について、谷原家の一番人気だったのは「ひき肉です」。中学生ユーチューバーが発信し、多くのトップアスリートもマネた流行語は小学6年の長男も「よく言っている」とのこと。45歳は両腕を広げる“ひき肉です・ポーズ”を披露して周囲を見渡し、「違う?」と笑った。トレンドに敏感な実力者が、虎視たんたんと“アレ”を狙う。

(宮下 京香)

 ◆谷原 秀人(たにはら・ひでと)1978年11月16日、広島・尾道市生まれ。45歳。12歳からゴルフを始め、瀬戸内高から東北福祉大を経て2001年にプロ転向。03年マンダムルシードよみうりオープンで初V。05年米ツアー参戦。06年の全英オープン5位。17年から3年間、欧州ツアー参戦。国内ツアー通算19勝。22年から選手会長。178センチ、80キロ。家族は元アイドル「ココナッツ娘。」の妻・絢香さんと1男1女。

 ◆谷原の21、22年大会優勝VTR

 ▽21年 初日は68で3差7位。第2ラウンド(R)は67で4差3位浮上。第3Rで大会自己最少&この日のベスト64をたたき出し、単独首位に立った。最終Rは69で逃げ切り、通算12アンダーでメジャー2勝目。

 ▽22年 初日は66で1差4位。第2Rは67と伸ばし、1差3位浮上。第3Rは70と伸ばせず、5位後退。最終Rにこの日のベストタイの65をマークし、4差を逆転。通算12アンダーで大会2連覇&大会3人目の選手会長V。

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