2023年シーズンの国内男子プロゴルフツアー最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップは30日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)で開かれる。今年のツアー優勝者をはじめ、賞金ランク上位者ら総勢30人が出場。出場予定の選手を連載で紹介する。第8回は大槻智春(33)=真清創設=。
今季初勝利は、過去2勝と同じく得意の最終日逆転劇だった。「追いかける側の方が気持ち的には楽」。逃げ切りはプレッシャーがかかり、難しいという。勝因になったポイントは「3日目が終わっていい位置にいた。4日目の流れの中ではいいゴルフができた」と2打差を追う状況からショット、パットともにかみ合ってボギーなしの66。1年ぶりの勝利をつかんだ。
今季は23試合に出場し、予選落ちは1度だけ。「毎試合、予選を通るのに必死」と話すが、オールラウンドな技術を兼ね備えて大きく崩れない。シーズン終盤を迎え、体の状態にも不安を抱えている。「問題なければもうちょっと上(の順位)にいるかなと思う」と苦笑い。「疲れがある中でうまくやっていかないと」とプロ14年目のベテランは今季最終戦を前に笑った。
30代のツアー屈指のショットメーカー。「メジャータイトルを取って海外に行きたい」と大きな目標を胸に5度目の日本シリーズへ挑む。グリーンの起伏などの難セッティングに「やりがいのあるコース」と闘争心を燃やす。20年に2位に入った経験もあり、攻め方は心得ている。「(自身の)スポンサーでもある、テーブルマークが協賛している。大会を盛り上げられるように頑張りたい」。今季最終戦のホストプロ大会で、得意の“まくり”を決めて悲願のメジャー制覇を成し遂げる。(富張 萌黄)
◆大槻 智春(おおつき・ともはる)1990年1月26日、茨城・神栖市生まれ。33歳。父の影響で7歳からゴルフを始め、茨城・鹿島学園高3年時の2007年に関東ジュニアV。日大に進学もプロ転向を理由に10年11月に中退し、翌年からツアーに参戦。19年5月の関西オープンでツアー初優勝。22年6月、ASO飯塚チャレンジドの大会初日に3イーグルを記録。家族は両親と姉。172センチ、94キロ。
◆2013年第50回(プロ11年目涙の初優勝) 史上初のルーキー賞金王となった松山英樹が左手負傷で欠場。代わって主役を演じたのは東北福祉大の先輩・宮里優作(当時33)だ。初日66で首位発進すると、2日目も66で1打差2位。3日目は8バーディー、2ボギーの64で3打差の首位へ浮上。2位に3打差をつけて迎えた最終日の18番パー3。日米通算24勝の妹・藍さんらが見守る中、東京よみうりCCの名物ホールでグリーン右10ヤードのラフから、ウェッジで奇跡的なチップインパーでツアー参戦11年目で涙の初Vを飾った。