中島啓太 日本シリーズ勝利で史上5人目賞金2億円突破「金額どうこうより最終戦を勝つことに魅力」


練習ラウンドで念入りに調整した中島

練習ラウンドで念入りに調整した中島

◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 指定練習日(28日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 男子プロゴルフツアーの最終戦メジャー、日本シリーズJTカップが30日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)で行われる。アマチュア時代以来となる2年ぶり2度目出場で、前週に年少3番目の賞金王を決めた中島啓太(23)=フリー=は28日、9ホールの練習ラウンドで調整。優勝で賞金4000万円を手にすればツアー史上5人目(6例目)の年間獲得賞金2億円突破となる一戦で、メジャー初制覇を狙う。

 賞金王の余韻に浸ることなく、中島の気持ちはすでに最終戦制覇に向いていた。「良かったという気持ちはあるが、あと(14日からの米ツアー予選会を含め)2試合あるので、しっかり切り替えて今週勝てるように」と言葉に力を込めた。

 冬晴れのコースで10番からの9ホールをリラックスムードで調整した。後ろを回る好敵手・金谷からも拍手で賞金王を祝福され、表情を崩した。「実感は(前週カシオワールドオープン=4位=が)終わってすぐに湧いてきた。今週いいプレーをしないと。(賞金王の)自覚と責任を持って勝ちにいきたい」とゴルフ日本一の称号を見据えた。

 17番パー5ではアイアンで5~6メートルに2オン。難関の18番パー3はティーショットを3球放ち、手前から浮かせるアプローチも試した。「グリーンの傾斜は強くて難しい。3パットしないようにタッチを合わせたい。ラフが少し長く、フェアウェーキープも重要」とメジャーの設定を警戒した。

 日本シリーズは2年ぶりの出場で「プロとしてプレーできて光栄。賞金王としてこの会場に来られた」とうなずいた。21年大会はアマ最高位の15位、昨年大会は観戦に訪れ、10番グリーンで選手たちのプレーから学んだ。「傾斜が強いのは知っていたので、みんな大変だなと(笑い)。カップの周りにボールを集めたい」と攻略を描いた。

 今季の獲得賞金は1億7248万6179円で、勝って4000万円を加算すれば、16年の池田勇太以来5人目&6例目の年間獲得賞金2億円を突破。大台超えは松山英樹の21歳に続く年少2位の23歳、総額では尾崎将に続く歴代3位となる。「金額どうこうより、賞金王として最終戦を勝つことに魅力を感じている。最後まで“強い選手”で終われるように」。14日からは来季米ツアーもしくは下部ツアー参戦をかけた最終予選会(米国)が控える。「今週も優勝して米国に行きたい」。プロ転向2シーズン目で今季3勝と充実した1年。国内最後をメジャー初制覇で締めくくり、夢の海外挑戦へ弾みをつける。

(岩原 正幸)

 〇…中島は、訃報を25日に受けた幼なじみについて、27日に葬儀が執り行われたことを明かし「試合が終わってゆっくりしたら、ご自宅に行こうかと思っています」と神妙な面持ちで話した。中島は賞金王を決めた前週のカシオワールドオープン最終日(26日)の試合後、「彼のためにも今週で賞金王を決めたいと思っていた」と天国に旅立った親友への思いを語っていた。

 ◆米男子ツアー最終予選会(通称Qスクール) 12月14日から4日間、ツアー本戦と同下部のコーンフェリーツアーの来季出場権をかけ、米フロリダ州のTPCソーグラス・ダイズバレーコース、ソーグラスCCの2コースで開かれる。予選落ちのない72ホールストロークプレー方式。上位5位タイまでが来季のツアー本戦、40位タイまでが成績に応じて下部ツアーの限定的な出場権を獲得。中島は、11月13日時点での日本ツアー賞金ランク1位の資格で出場する。

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