岩井千怜「ラインすぐ読めた」「入りそうな気がした」ダブルボギーにも「しょうがないなあ」…5差3位から「びっくり」単独首位


4番、ティーショットを放ち笑顔で声援に応える岩井千怜。バーディー量産で単独首位に浮上した(カメラ・今西 淳)

4番、ティーショットを放ち笑顔で声援に応える岩井千怜。バーディー量産で単独首位に浮上した(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー開幕戦 ダイキンオーキッドレディス 第3日(2日、沖縄・琉球GC=6595ヤード、パー72)

 5打差の3位から出たツアー通算4勝の岩井千怜(ちさと、21)=ホンダ=が10バーディー、1ボギー、1ダブルボギー、この日最少の65をマーク。通算13アンダーで単独首位に浮上した。怒とうのバーディー・ラッシュで国内開幕戦Vに王手をかけた。抜群の集中力と、持ち前の明るさで最終日の逃げ切りを狙う。1打差の2位で2022年大会覇者・西郷真央(22)=島津製作所=が追う。

 周囲を圧倒するプレーだった。岩井千はツアー自己最多10個のバーディーを量産。5打差の3位から一気にトップに立ち「差を詰めたいと思ってスタートした。それを上回るゴルフができて、自分でもびっくり」と目を見開いた。特に「ラインがすぐ読めた」とグリーン上は絶好調で、パット数もこの日最少の「24」。65のビッグスコアにつながった。

 何事にも動じない精神力が躍進を支えた。14番までに9つスコアを伸ばすも、15番でダブルボギー、16番でボギーと一時スコアを落とした。それでも「ゴルフ場のワナに引っかかったので、しょうがないなあ」とすぐさま切り替えた。続く17番ではラインを読むため、しゃがんだ際にボールが動いたような感覚になった。競技委員を呼び、約3分半プレーが止まったが、「入りそうな予感がした」と集中力を維持。問題なしとしてプレーが進むと3・5メートルをねじ込んで、この日のバーディー数を2ケタとした。

 社会貢献活動にも熱心だ。「勇気と元気を届けたい」と、今季から双子の姉・明愛(あきえ)と「iwai SMILE Project」をスタートさせた。1バーディーにつき1万円など、好プレーに応じた金額を、今年元日に発生した能登半島地震の義援金としている。幼少期から父・雄士さん(51)に「困った人を助ける」という教えを受けてきた。笑顔の裏には、熱い思いが秘められている。

 2位の西郷とはわずか1打差。それでも、過去4勝中3勝が最終日首位スタートからの逃げ切り。「自分のゴルフをして(スコアを)伸ばせたら。皆さんが元気になってもらえるように頑張ります」と自身初の開幕戦Vへ気合。最終日もバーディーラッシュで会場を沸かせる。(富張 萌黄)

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