2020ハワイ州アマチュアゴルフ選手権

【練習ラウンド】

 13日から16日までの4日間(シニアの部は14日から16日までの3日間)第57回ハワイ州アマチュアゴルフ選手権がレイレフアGCで開催される。各部門とも最初の2日間が予選で、各部門の成績上位の半数が決勝に進む予定。
 今大会には昨年の報知アマゴルフ選手権2位の木内登喜雄(大洗GC)がミッドアマの部(6916ヤード)に、報知シニアアマゴルフ選手権優勝の舘英樹(富士C笠間C・2019年日本シニア、関東シニア優勝)がシニアの部(5980ヤード)にそれぞれ出場。
 大会2日前の11日は舘が空港到着からコースへそのまま直行し練習ラウンドを行うと、大会前日の12日には、木内も練習ラウンドを精力的に行った。2人揃って「調子は悪くない」と上位進出を目指す。
 これまで本大会はパールCCで開催されていたが、今回初めて米軍施設内にある同コースで開催。時折、米軍ヘリが真上を飛行するなど独特な雰囲気を漂わせる。基本的にはフラットでコース外周のOB以外はほとんどペナルティがないコース。ただし、グリーンが早く、ホールによっては大きくうねる形状のため、グリーン攻略が上位進出への鍵となりそう。

 

調子は上向きの木内

 

【第1日】

 13日、ハワイ州アマチュアゴルフ選手権の初日がレイレフアGCで開催された。
 1日目は男女オープンの部、男子ミッドアマの部の3部門が4日間競技のため、3日間競技の男女シニアの部より1日早く開催した。(男子オープン、ミッドアマの部=6916ヤード・パー72、女子オープン、男子シニアの部=5980ヤード、パー72、女子シニアの部=5067ヤード、パー72、出場108名) 昨年の報知アマゴルフ選手権2位の木内登喜雄(大洗GC)がミッドアマの部に出場。
 この日はハワイの雨期特有の天候不順。最終組のスタート時にはスコールに見舞われ、出だし3ホールをボギー、ダボ、ボギーでいきなり4つ落とす最悪の滑り出しに「緊張は無いが、初めての海外での競技で独特な雰囲気があった」と浮き足だっていた。しかし、4番で2メートルを残すパーパットを沈めると「ここで流れが変わった」というように、8番、10番でバーディー。ハイライトは17番199ヤードのパー3。21度のユーティリティーを振り抜き、ピンそば30センチにつける圧巻のバーディー。リズム良く最終18番ホールを迎えるとき、再びスコールに見舞われ競技中断に。結局30分の中断後、コースコンディション不良のため7人がホールアウトできず、サスペンデットが決まった。「最後までやりきりたかった。サスペンデットは経験ない。なんかプロみたいですね」と流れが“来ていた”だけに名残り惜しさと明日への不安が入れ混じる複雑な表情を浮かべた。
 ここまで17ホールを終了し3バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの1オーバー。「ショットが好調。雨で飛距離が出ないので、どうしてもセカンドが残る。決勝の2日間を楽しみたいから明日も気持ちを切らさず頑張りたい」と油断は微塵も無い。

 

スタート時の豪雨のなか、ティショットを放つ木内

レイレフアGCクラブハウス

 

【第2日】

 14日、報知アマゴルフ選手権と姉妹提携を結ぶ「第57回ハワイ州アマチュアゴルフ選手権」の2日目がレイレフアGCで開催された。この日から男女シニアの部の第1ラウンドもスタートし総勢104名が各部門の優勝を目指す。
 午前7時、昨日と違いハワイらしい晴天のもと木内は昨日1ホールを残しサスペンデットとなった最終18番パー4からプレーを再開。2オンしグリーン奥の下りのロングパットを残したが難なくパーをセーブし73ストローク、首位と4打差の2位タイで第1ラウンドを終えた。
 約1時間の小休憩をはさみ迎えた第2ラウンドも「昨日同様ショットは調子が良い」と安定したドライバーでフェアウェイをキープするも、セカンドショットがなかなかピンに付かず、奪ったバーディーは1つ。しかし確実に2パットで切り抜け「粘れた」と1バーディー、2ボギーで第1ラウンド同様の73、2日間トータル2オーバー、146で首位のアンディ・オキタに4打差の単独2位で3日目の決勝ラウンドに駒を進めた。「優勝を意識すると崩れるので、この2日間と同じ気持ちで望みたい」とあくまで平常心を貫く。

 

 男女シニアの部はこの日が初日。報知シニアアマ、日本シニアアマ、関東シニアアマの“シニア3冠”を昨年一年間で達成した舘英樹がインの10番からティオフ。
 「ドライバーの調子が良くフェアウェイを外したのはわずかに3回だけ」とショットが好調。前半を1オーバーの37でターンすると迎えた3番、433ヤードのパー5で残り220ヤードを5番ウッドでピン8メートルに2オン。見事イーグルを奪い、後半を34とし、1イーグル、2バーディー、3ボギーの1アンダー71で首位のマイク・カワテと3打差の2位につけ好発進。
 3ボギーはいずれも3パットによるもので「芝目と傾斜が強いので、読み切れていない。自信をもってパットするときはきちんとヒットできているが、ないときはボールをなめている」とパットに課題。ただ「取りこぼしがなければもう少し良いスコアがでるかな」と自信ものぞかせる。“シニア3冠”は虎視眈々と優勝を狙う。

 

安定したドライバーショットを放つ舘

決勝ラウンド進出した木内

 

【第3日】

 15日、報知アマゴルフ選手権と姉妹提携を結ぶ「第57回ハワイ州アマチュアゴルフ選手権」の3日目がレイレフアGCで開催された。
 昨日の予選ラウンドで男子オープンの部は13人、女子オープンの部は6人、男子ミッドアマの部は20人が決勝ラウンドに進出し、第3ラウンドで上位進出を狙った。
 男女シニアの部はこの日予選2日目となり男子シニアの部は出場28人中15人、女子シニアの部は6人中4人が予選を通過した。

 

 ミッドアマに出場の木内は首位と4打差の単独2位で最終組の10番からスタート。この日は1バーディー、8ボギー、1ダブルボギーの9オーバー81とスコアを大きく落とした。「3番ホールで初日と同じOBを打ってしまった」と前半1オーバーで耐えていたが、痛恨のダブルボギーを打ち、流れが一気に悪くなる。「ダボでもその時点で4オーバーだったので頑張ろうと思った」と気持ちを奮い立たせたが、悪い流れが断ち切れなかった。首位のアンディ・オキタから12打差の4位タイに後退。「優勝は厳しいが3日間でアンダーを出せていないので、明日はアンダーを目標に頑張りたい」と前を向いた。

 

 シニアの部に出場の舘も首位と3打差の単独2位からスタート。この日は1バーディー、5ボギーの4オーバー76とスコアを落とし2位タイ。「パットがことごとく入らない。読めていない」と日本と違い芝目がきついハワイ特有のグリーンに対して自信をもってパットを打つことができない。首位のマイク・カワテから10打差とはなされ「ちょっと厳しいかな。明日はベストを尽くし少しでも縮められたら良いかな」と悔しさをにじませた。

 

 明日はいよいよ最終日。少しでも上位にいけるようベストを尽くす。

 

パットが入らず、スコアを落とす舘

最終組で同伴競技者に見つめるなかティショットを放つ木内

 

【最終日】

 16日、報知アマゴルフ選手権と姉妹提携を結ぶ「第57回ハワイ州アマチュアゴルフ選手権」の最終日がレイレフアGCで開催された。
 ミッドアマの部に出場の木内は通算12オーバーの4位タイ、男子シニアの部に出場の舘は猛追及ばず通算1オーバーの2位でともに健闘した。

 

 舘は首位と10打差の2位タイからのスタート。出だし2連続バーディーと好発進し首位にプレッシャーをかけた。前半は1アンダー35、マイク・カワテは前半を3ボギー、1ダブルボギーの5オーバー、41とつまずき、10打差から一気に4打差に縮め、逆転に期待が膨らんだが、最後は3打及ばず2位。「ショットは90点以上の出来。パーオン出来なかったのは2ホールだけ。やっぱりパット。もう少しパットが入れば、もしかしたら追いつけたかもしれなかった」と最後までグリーンを攻略できなかった。3日間を通じ「自分的にはまあまあの出来で良かったんじゃないでしょうか」と悔しさもありつつ、力を出し切れた充実感ものぞかせた。
 今年は昨年の日本シニアアマ優勝の資格でプロも入れ混じる日本シニアオープンの本戦出場権を得ている。「今年は日本シニアオープンのローアマ獲得を第一目標に精進したい」と高い目標を掲げている。「報知シニアも連覇を目指すよ。またこの大会に出たいからね」と来年の今頃は新たな勲章をひっさげてハワイの地へ凱旋を誓った。

 

各部門の成績はこちらから
https://www.golfgenius.com/pages/2350094

 

各部門の優勝者

各部門の優勝者


各部門の優勝者

各部門の優勝者


各部門の優勝者


健闘した木内

猛追及ばず惜しくも2位の舘


レイレフアGCの入り口