
4年前に笹生(左)からプレゼントされたサイン入り手袋を須藤弥勒は「お宝」として大事に保管している(提供写真)
史上初めてゴルフのジュニアメジャー4冠を達成し「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(12)=ゴルフ5/太陽自動車=は4日、世界メジャーの全米女子オープン(5月30日~2日、米ペンシルベニア州ランカスターCC)で3年ぶり2度目の優勝を飾った笹生優花(22)=フリー=を祝福し、同時に、近い将来、その全米女子オープンで笹生と優勝争いをすることを熱望した。
笹生と親交がある弥勒は「女子ゴルフで世界最高峰のタイトルと言われる全米女子オープンで2回も優勝するなんて本当に素晴らしい! 心から祝福します。笹生選手が日本に帰ってきた時に直接、お祝いの言葉を伝えたいです」と興奮気味に話した。
2020年8月、笹生は日本女子ツアーのNEC軽井沢72で初優勝、翌週のニトリレディスで連勝の快挙を成し遂げた。さらに、その翌週のゴルフ5レディスで、当時、小学校3年生だった弥勒はラウンドリポーターを務め、笹生と対談を行った。笹生は大会で使用した手袋にサインを入れて弥勒にプレゼント。当時はコロナ禍だったためにマスクをつけて肘タッチした2ショット写真とサイン入り手袋は弥勒の「お宝」として、今も大切に保管されている。
「笹生選手は本当に格好良くて、優しくて、丁寧に質問に答えてくれました。とても、勉強になりました。そして『プロの世界で待っているよ』と激励してくれました」と弥勒は笑顔で4年前の思い出を振り返った。
純粋な「天才少女」は笹生の激励の言葉を真正面から受け止めている。「笹生選手と私はちょうど10歳違い。プロの世界で一緒に戦えると思っています。近い将来、全米女子オープンで笹生選手と優勝争いをしたいです!」ときっぱり話した。
弥勒の父・憲一さん(50)は「笹生選手が日本でプロデビューする前に、動画で彼女のスイングを見た時の衝撃を鮮明に覚えています。男子トッププロのローリー・マキロイ(英国)のような力強さを感じました。笹生選手の存在は弥勒に大きな影響を与えています。私自身は、笹生選手のお父さんの正和さん(66)の姿勢を、同じ父親として学んでおります」と話した。
4月に中学生となった弥勒は今年の8月6日に13歳の誕生日を迎え、日本女子プロゴルフツアーが定める出場可能な年齢に達する。8月6日以降にレギュラーツアーでデビューが予定されている。「期待やプレッシャーを感じていますが、それを力に変えて、予選通過を目標にして頑張ります。数年後には笹生選手と世界の舞台で堂々と勝負できるようになりたい。そのために一生懸命に練習を続けていきます」と弥勒は目を輝かせて話した。
◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。12歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17年に大会史上最年少で世界ジュニアに優勝。18年も連覇した。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、22年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。22年8月に横峯良郎氏に弟子入り。22年1月からアマチュアも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで、ダブル所属契約のゴルフ5と太陽自動車をはじめ15社・団体と推定総額3億6000万円以上のスポンサー契約を締結。家族は父、元フィギュアスケート選手でピアニストの母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。150センチ、50キロ。