「うすし」って何? ABEMA生配信でピンマイクが拾った石川遼の戦略的な会話


ラウンド後に会見に応じる石川遼

ラウンド後に会見に応じる石川遼

◆男子プロゴルフツアー プレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品 第2日(21日、栃木・西那須野CC=7036ヤード、パー72)

 3打差6位から出た大会実行委員長の石川遼(32)=カシオ=が1イーグル、6バーディー、ボギーなしの64をマークして通算14アンダーの単独トップに浮上した。昨年7月の日本プロ選手権第1ラウンド以来11か月ぶりの首位から、2年ぶりとなるツアー通算19勝目を狙う。22歳の下家秀琉(すぐる、エレコム)がこの日のベストスコア62をマークし12アンダーとし、42位から3位に大きく順位を上げた。

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 前半13番パー4、残り112ヤードの第2打。54度のウェッジを振り抜いた石川は、すぐに肩を落とした。悲壮感あふれる姿とは対照的に、直後に起こったのは大歓声。左奥8ヤード付近に落ちた球は手前に転がりカップに消えた。「たまたまそこに傾斜があった。ミスショットなので恥ずかしい」。首位浮上を呼び込むイーグルにも、浮かべたのは苦笑いだった。

 予選2日間は後半9ホールをピンマイクをつけてプレーし、ABEMAで生配信。戦略的な会話で臨場感を届けつつ、興味深い石川節も残した。1番の当たりが薄かった第2打でフィニッシュポーズを取りながら「うすし」とポツリ。6番パー5ではライが悪い左バンカーからの第2打を、警戒していた右ラフに入れた。「最悪です…あちゃー」。ピンチ一転、6メートルのバーディーパットをねじ込んだ。

 切り返し時のシャフトの角度に違和感を抱えつつ、連日の好スコアをマークした。「コースの攻め方や、ゲーム運びをうまくやれている」。予選ラウンドをトップで通過するのは2021年フジサンケイクラシック以来3年ぶり。「やることは何一つ変わらない。少しでもいい状態にして明日回りたい」。22年三井住友VISA太平洋マスターズ以来の19勝目へ、逃げ切り態勢に入る。(高木 恵)

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