◆女子プロゴルフツアー 住友生命レディス東海クラシック 最終日(15日、愛知・新南愛知CC美浜C=6560ヤード、パー72)
4打差3位から出た岩井明愛(あきえ、22)=ホンダ=が8バーディー、ボギーなしで、この日最少の64をマークし通算16アンダーで逆転優勝。6月以来の今季3勝目、通算6勝目を飾った。大会前の11日に来季米ツアー出場をかけた最終予選会(12月・米国)への挑戦を発表し、直後の試合で実力を証明した。山下美夢有(みゆう、23)=加賀電子=は69で1打及ばず、15アンダーで今季7度目の2位となった。
トップに並んで迎えた17番、一気に流れを引き寄せた。岩井明は「早く抜け出したい。入れたい気持ちが強かった」と4メートルのバーディーパットを沈め、ガッツポーズ。1学年上で昨年から何度も優勝を争う山下との競り合いを制した。大会連覇でもあり、「初めてなのでうれしい」と緊張から解放されたように空を見上げた。
前週の国内メジャーは2位で出た最終日に75と崩れ、9位と悔しさを味わった。4打差3位で出たこの日、「勝とうとは思わず気楽にいった」と気持ちが入りすぎた先週の反省を生かし、3連続バーディー発進につなげた。前半で5つ伸ばし、13番で山下を捉えた。終盤は自然と気合が入り、15番のバーディーでも拳を握った。
11日にはシーズン後に行われる米最終予選会挑戦を公表。双子の妹・千怜(ちさと、22)とともに本格参戦を目指す。父・雄士さん(51)は「(2人は)世界の強い選手を見て自分たちがどこまでやれるか、と今年言い始めた」と経緯を明かした。明愛は海外メジャーにスポット参戦した全5戦で予選通過。AIG全英女子オープンでは世界と戦い、7位と成長ぶりを見せた。過酷な移動や連戦も苦にしないタフさも大きな強みだ。
今回のツアー6勝目で妹の勝利数にも並んだ。明愛は「6勝か。千怜と競えるのはうれしい。高め合える部分もいい」と相乗効果を強調した。優勝の200ポイントを加え、年間女王争いは残り10戦でポイントの高いメジャーや4日間大会も控える。今週に続き、連覇に挑む次週ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン(宮城)に向けても「一試合一試合を大切にいきたい」。秋の快進撃を予感させた。
(岩原 正幸)