岩崎亜久竜、林に打ち込んでもニッコリ「やっちゃった」…ジャンボ尾崎に並ぶ30年ぶり20アンダーで3差逆転優勝


通算20アンダーで優勝し、ANAのCAと記念撮影する岩崎(カメラ・今成 良輔)

通算20アンダーで優勝し、ANAのCAと記念撮影する岩崎(カメラ・今成 良輔)

◆男子プロゴルフツアー ANAオープン 最終日(15日、北海道・札幌GC輪厚C=7066ヤード、パー72)

 首位と3打差3位から出た岩崎亜久竜(あぐり、26)=フリー=が1イーグル、6バーディー、1ダブルボギーの66で回り、最終日逆転で今季初優勝を飾った。1994年の尾崎将司(77)に並ぶ大会記録の通算20アンダーをマークして昨年10月のメジャー、日本オープン以来、ツアー2勝目。幼少期から海外志向が強く、優勝副賞のANA国際線ファーストクラスのペア往復券を使い、10月以降に行われる来季の出場権をかけた米ツアー予選会出場の意向も示した。

 グリーン脇で最終組のプレーを見届け、優勝が決まった。総合力の高い岩崎は初勝利時と同じ3打差逆転Vに湯本開史キャディー(27)らと抱き合い、喜びに浸った。「ツアーデビューの試合で、優勝することができてうれしい」。1打及ばずに予選落ちを喫した3年前の苦い記憶を、満面の笑みで塗り替えた。

 単独首位で迎えた最終18番。「バーディーを取れば優勝できる」と力が入り、ティーショットを左林に打ち込んだ。「やっちゃった」と思わず笑みがこぼれたが、1メートル強の木の間から5アイアンでグリーン右のラフまで運び、3打目をピン手前1メートルに寄せた。パーパットを沈め、歴代最多94勝の尾崎が記録した20アンダーに30年ぶりに並んだ。「(大会記録の)20(アンダー)以上なら、塗り替えられていないから絶対勝てる」という湯本キャディーの言葉を信じて後続組を待った。 

 10月以降の米ツアー予選会の受験を予定する。今大会の優勝副賞でANA国際線ファーストクラスのペア往復券を獲得。「トレーナーさんを連れて、万全の態勢で行ける」と笑った。昨季は欧州DPツアーに参戦もシードはつかめず。だが、幼少期からの夢である米ツアー挑戦を決意。「世界で通用するように」と、名付けられた亜久竜が海外へ再挑戦する。(富張 萌黄)

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