史上最高1000万円! ホールインワン賞の権利手にしたプロ10年目の幸運「やっと真っすぐ飛んだ」


15番でホールインワンを達成した小野はクラブとボールを手に笑顔を見せる(カメラ・今西 淳)

15番でホールインワンを達成した小野はクラブとボールを手に笑顔を見せる(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー アース・モンダミンカップ 第2日(27日、千葉・カメリアヒルズCC=6688ヤード、パー72)

 プロ10年目の小野祐夢(ひろむ、27)=ニチコン=が前半15番パー3でホールインワンを達成し、ツアー史上最高額の1000万円(達成者均等割)を獲得する権利を得た。昨年から200万円増のビッグボーナスが設定されたホールで、ツアー2度目のエース。70で回って通算1オーバーとし、92位から48位に順位を上げ、今季7度目の予選突破を決めた。河本結(26)=リコー=が68をマークし、10アンダーで単独首位を守った。

 5番ユーティリティーを、小野が振り切った。171ヤード(実測値182ヤード)の15番パー3。グリーンを捉えたボールはカップをめがけて転がり、そのまま消えた。同組の渡辺彩香から「1000万円だよ!」の声が飛び、賞金額を思い出した。「え!みたいな感じだった。やっと真っすぐ飛んだと思ったら入ってくれてびっくり。予想外」と声が弾んだ。

 今大会は今年から、ツアー史上最高額となるホールインワン賞1000万円(達成者均等割)が4番と15番に設定された。最終日まで他の達成者が出なければ、全額が小野のものになる。臨時ボーナスは3匹の愛犬のために使う予定だ。ボストンテリアの「まる」(7)、フレンチブルドッグの「ぐる」(6)、チワワの「ここ」(4)。「ワンちゃんと遊ぶスペースを自宅に作りたい。昨年末から計画していたけど、お金が準備できていなくて止まっていたので、良かった」

 早大の人間科学部健康福祉科学科のeスクール(通信制)を、5年かけて卒業した努力家だ。卒論は「ゴルフのパフォーマンスと心理的柔軟性の関連」。40人近い選手にアンケートを取り、アマチュアとプロのゴルフシーンにおけるストレスの感じ方の違いなどをまとめた。今もメンタル面で役立っているという。

 下部ツアーで2勝を挙げているが、レギュラーツアーでの年間ランキングは2019年の69位が最高。初のシード取りを目標に掲げる。「ホールインワンから流れが良くなった。今季はポイントを稼げていない。4日間大会はポイントが高いので、しっかり体調を整えて結果を出したい」。一振りで、今季14試合での獲得賞金325万3857円を上回り、今週の男子ツアーの優勝賞金と同額を得た。エース達成で、運気アップと行きたいところだ。(高木 恵)

 ◆ホールインワンの賞金 協賛スポンサーが金額を決めることが多い。一般的にスポンサーは、主催者の取引先や、代理店のセールスで決まる。過去の最高賞金は800万円で、2013年フジサンケイレディス最終ラウンド(R)17番の下川めぐみ、18年フジサンケイレディス第1R17番の幡野夏生、22年リゾートトラストレディス最終R12番の阿部未悠、23年アース・モンダミンカップ第2R9番のエイミー・コガが獲得。

 ◆小野 祐夢(おの・ひろむ)

 ▼生まれ 1997年7月13日、岐阜・土岐市

 ▼ゴルフ 9歳から始め、坂田信弘氏(享年76歳)の坂田塾で学ぶ

 ▼経歴 帝京大可児高―早大卒。人間科学部健康福祉科学科のeスクール(通信制)で5年間学び、22年に卒業

 ▼卒論 「ゴルフのパフォーマンスと心理的柔軟性の関連」

 ▼プロ転向 初受験の16年7月のプロテストを2位で合格。下部ツアー2勝(20、21年)

 ▼ホールインワン 18年樋口久子・三菱電機レディスの第2ラウンド8番

 ▼生涯獲得賞金 159試合に出場し4062万1148円

 ▼趣味 ホテルの予約。ツアーの宿は全て自分で探して押さえる。「グーグルマップを見るのが好き。マップでホテルを検索して比較して、場所や駐車場をチェック」

 ▼サイズ 162センチ、54キロ

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