
大勢のギャラリーの前でティーショットを放つ丸尾怜央
◆男子プロゴルフツアー プレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品 第3日(28日、栃木・西那須野CC=6956ヤード、パー71)
日没のためサスペンデッドとなった第2ラウンド残りと第3ラウンドが行われ、14位で出たプロ1年目の丸尾怜央(18)=フリー=が1イーグル、4バーディー、1ボギーの66と伸ばし、通算13アンダーで首位と5打差の8位に浮上した。昨年末にプロ宣言後、レギュラーツアーに初出場。18歳5か月30日で、石川遼(33)=カシオ=に次ぐ史上2位の若さでのツアー初優勝を目指す。ツアー未勝利の石坂友宏(25)=都築電気=が、18アンダーで単独首位をキープした。
最高気温31度の酷暑に負けず、18歳の新人プロが猛チャージした。丸尾は3番から3連続バーディーを奪い、11番パー5は残り210ヤードの第2打を4メートルに乗せて圧巻のイーグル。最終18番は下り傾斜のパットを直接ピンに当て、球の勢いを止めてパーセーブし「狙い通りです」とニヤけた。
今季は下部ツアーを主戦場とし、レギュラーツアーはプロ転向後初出場。「プレッシャーは感じた」というが、アマ時代に出場した6戦を含めて自己ベストの66で回り、首位と5打差の8位に浮上した。石川に次ぐ史上2番目の年少初Vの記録は「もちろん知ってます。10代のうちに勝ちたい」とノリノリだ。
誕生日はタイガー・ウッズと同じ12月30日。ウッズを好きな父・高範さん(53)は「タイガー」と名付けようとしたが、祖父・高水さんに「虎に勝てるのはライオンだ」と反対され、ラテン語でライオンを意味する「レオ」に。ウッズが2005年マスターズで優勝した映像を何度も見て研究してきたが、「今は世界ランク1位のシェフラーが好き」とし、「自分も世界一を目指す」と大きな夢を口にした。
小学時代は新体操や陸上、水泳で体力を強化。父はサーフィンをやらせたかったというが、小1の時に地元・宮崎の海で2人でロングボードで波乗りし、「身長の2~3倍はある大波に流された。父に足をガッとつかまれた。おぼれて死にかけたのでトラウマになった」と海の上ではなく、芝の上を戦場に選んだ。
中1から中嶋常幸が主宰するトミーアカデミーに入門し、腕を磨いた。166センチ、77キロと小柄なガッチリ体形で飛距離は最長300ヤード。この日のパーオン率は全体9位の83・33%。最終日に向けて「トップ10、チャンスがあれば優勝を目指す」。逆転での10代優勝を果たし、ゴルフ界の“百獣の王”になる。(星野 浩司)
◆丸尾 怜央(まるお・れお)
▼生まれとサイズ 2006年12月30日、宮崎市出身。18歳。166センチ、77キロ
▼ゴルフ歴 父・高範さん(53)の影響で10歳から始め、フェニックスCCのゴルフアカデミーで学ぶ。中1から中嶋常幸に師事。中3時の21年に日本ジュニア選手権(12~14歳の部)で優勝。宮崎・日章学園高2年時の23年にトヨタジュニアW杯で団体優勝。24年に全米アマ出場(予選落ち)。同年のQT(予選会)ファイナルで71位に入り、プロ宣言
▼スポーツ歴 新体操、陸上、水泳
▼目標の選手 スコッティ・シェフラー
▼得意クラブ ドライバー。平均飛距離は300ヤード
▼家族 両親、姉・羚水(れいな、19)=明大=、妹・海七(しいな、16)=第一薬科大付高=はともにアマチュアゴルファー