「120点ぐらいかな」石川遼が「勝率5割」の首位発進 今季ベストタイ64


9番、ティーショットを放ちボールの行方を見る石川(カメラ・今成 良輔)

9番、ティーショットを放ちボールの行方を見る石川(カメラ・今成 良輔)

◆男子プロゴルフツアー ISPSハンダ夏の決戦トーナメント 第1日(21日、北海道・ブルックスCC=7286ヤード、パー72)

 ツアー通算20勝の石川遼(33)=カシオ=が8バーディー、ボギーなしで今季ベストスコアに並ぶ64をマークし、開幕戦の東建ホームメイトカップ第1ラウンド以来のトップに立った。首位発進は過去10度あり、優勝は5度。「勝率5割」のデータを味方に逃げ切り、昨年11月の三井住友VISA太平洋マスターズ以来の勝利と、今季最高4260万円の優勝賞金をつかみ取る。

 ホールアウト後のキャディーとの握手に、自然と力がこもった。最終9番パー5。石川は3メートルを沈め、この日8つ目のバーディーで締めた。求める内容と結果がかみ合い、たたき出した64のビッグスコア。「ほぼ100…いや、120点ぐらいかな、っていう感じ」。8試合を終え、トップ10入りがまだない今季。開幕戦以来の首位発進を彩る笑顔に、充実感がにじんだ。

 前半の2つのパー5はともに2オンに成功し、スコアを伸ばした。14番は第2打がピンに当たり、左2メートルへ。後半5番パー3では、7アイアンでの第1打をピンそば50センチへ運んだ。「普段なかなか取れないようなバーディーの取り方もあった」と会心の一打を振り返った。

 2020年春から取り組んできたスイング改造は、ものになりつつある。「マクロな部分は順調。今年はミクロの部分を詰めている」。昨季と比べ、持ち球のドローに加えて、左から右に曲がり落ちるフェードの球筋を多用する機会が増えた。風の読み、球のライに対しても「すごくいいジャッジができていた」と手応えを口にした。

 予選ラウンドは今季から米ツアーを主戦場にする金谷拓実(27)=SOMPOひまわり生命=と回り、そろってボギーなし。しぶといセーブを連発した金谷のプレーに刺激を受けた。金谷は「石川選手はいいショットをたくさん打っていたし、テンポもいい。一緒に回るとすごく楽しい」と、相乗効果に触れた。

 今大会の賞金は今季最高額で優勝なら一気に4260万円が上積みされ、賞金ランクは42位から2位に浮上する可能性がある。首位発進した試合は過去に10度あり5勝。勝率は5割を誇る。「まだ4分の1しか終わっていない。あと75%できることはすごく楽しみ」。やるべきことは変わらない。理想の一打を突き詰め、コースと対峙する。(高木 恵)

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