
パナソニックオープン最終日でティーショットを放つ勝俣陵(カメラ・星野浩司)
◆男子プロゴルフツアー パナソニックオープン 最終日(28日、大阪・泉ヶ丘CC=6993ヤード、パー71)
プロ9年目の勝俣陵(ロピア)が単独首位で出て1イーグル、4バーディー、4ボギーの69で回り、通算20アンダーで初優勝を飾った。優勝賞金2000万円を獲得した。
2位と3打差の単独首位で出た勝俣は1番で80センチ、2番で1メートルに寄せて連続バーディー発進。7番、11番でボギーをたたいたが、16番パー4(331ヤード)ではフェアウェーから第2打のアプローチが直接カップインし、イーグルを奪取した。22アンダーに伸ばし、19アンダーでホールアウトしていた小木曽喬(フロンティアの介護)に3打差をつけた。15番、16番で約1メートルのパットを外して連続ボギーをたたいたが、最後は意地のゴルフで逃げ切った。優勝後は仲のいい選手らにウォーターシャワーで祝福され、うれし涙を流した。
埼玉出身の29歳は、埼玉栄、日大に進み、2017年にプロ転向。ツアー過去最高は22年の三井住友VISA太平洋マスターズなどで3位に入ったが、優勝には届かなかった。昨年大会は首位で出た第3日に70と後退していたが、今回はリベンジを果たした。
4年前から毎冬、ツアー31勝の片山晋呉と1か月間ほど合宿。ゴルフ技術やピンチ時のメンタルなど多くを学んできた。今大会第3日には大会中に“師匠”から連絡はきていないことを明かし、「終わってから、僕からいい結果報告をしたい」と話していた勝俣が有言実行を果たした。
今季ツアーの初優勝は、3週前のロピアフジサンケイクラシックを制した長野泰雅(福岡地行)に続き、8人目となった。
◆勝俣 陵(かつまた・りょう) 199512月27日、埼玉・三芳町生まれ。中学2年までは甲子園出場を目標に野球に励んだが、両膝の故障などで断念。父の勧めで14歳でゴルフを始めた。埼玉栄3年時の13年に関東高校選手権で団体・個人の2冠、同年は団体で全国制覇。日大3年時の16年には埼玉オープンでプロにまじって優勝。17年にプロ転向。22年に三井住友VISA太平洋マスターズ3位、初シードを獲得。23年5月に結婚し、同年10月に長女が誕生。174センチ、73キロ。