
11番ティーショットを放つプロデビュー戦の中野麟太朗。初日2オーバーの70位と出遅れた(カメラ・今西 淳)
◆男子プロゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ 第1日(13日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)
プロデビュー戦に臨んだ中野麟太朗(早大4年)は4バーディー、2ボギー、2ダブルボギーで2オーバーの72と崩れ、首位と7打差の7打差の70位と出遅れた。
ほろ苦いプロデビュー戦となった。前夜は腹痛に見舞われ「トイレから出られなかった。健康的なものを食べたはずなのに…」と苦笑し、プレッシャーは少なからずあった。ツアー20勝の石川遼(カシオ)、賞金ランク1位の生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり、フリー)と同組。大勢のギャラリーが集まり「どこまで人がいるんだろうと。やっぱり石川遼さんってすごいんだな…と思いました。幸せです」と緊張気味でティーオフした。
出だし1番は「アドレナリンが多く出た」と残り160ヤードを9アイアンで放った第2打がグリーンを大きくオーバーし、カート道路を超えてレッドペナルティーエリアに消えた。「頭が真っ白になった」。自身で判断して処置をしようとした時、石川から「大丈夫? 競技員さんを呼んだ方がいいよ」と声を掛けられた。
処置に時間がかかり、進行が遅れることへの焦りはあったが、競技員を呼んで処置。「誤処置してた可能性があったので良かった」。第4打をグリーンに乗せ、いきなりダブルボギーをたたいたが「何が起こってもおかしくないのがデビュー戦。そこは割り切った」と気持ちを切り替えた。
12番で7メートルを沈め、18番パー5は2オンに成功して伸ばしたが、1番で再びダブルボギー。出入りが激しいゴルフで70位と出遅れた。「とてももったいない。ミスの90%はパッティングだった」と反省。一方で、ショットは好調で「今日は出来すぎ。アイアンに助けられた」と振り返った。
185センチ、95キロの恵まれた体格を武器に、この日の平均飛距離は全体10位の309・26ヤードをマークした。石川は「素晴らしかった。パワー、スピードもポテンシャルはすごい。河本(力)選手や出利葉(太一郎)選手クラスのフィジカルがある。アイアンショットの精度が本当に高くて、ほとんどピンから外れずに打ってた。本当にすごい選手」と絶賛した。
2023年の日本アマチュア選手権で優勝。11日にプロ転向を表明したばかりの22歳は、初戦の自己採点を聞かれると「ようやく単位を取れたくらい。30点」と唇をかんだ。2日目に向けて「今日はデビュー戦を言い訳にして、いいスコアではなかったねというのはあったけど、明日からはそんなことはない。しっかり自分のプレーをやり抜きたい」と巻き返しを誓った。

