
8月30日、Sansan・KBCオーガスタ第3日、ラウンド後にHKT48と記念撮影し上機嫌の阿久津
◆3年連続5回目出場 阿久津未来也(30)=フリー=ミズノオープン優勝
2025年シーズンの国内男子プロゴルフツアー最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップは12月4日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCC(7002ヤード、パー70)で開催される。今季のツアー優勝者をはじめ、賞金ランク上位者ら総勢30人が出場。スポーツ報知では「オレの原動力」と題した連載で、出場予定の選手を紹介する。第1回は、ミズノオープンでツアー初優勝を挙げた阿久津未来也(30)=フリー=。
6月のミズノオープン最終日。朝5時半、阿久津のスマホにメッセージが届いた。「球じゃなくて、自分をコントロールしろよ」―。日大の先輩でツアー31勝の片山晋呉(52)からだった。1打差の首位から強風に耐えて逃げ切り「すごく内容が濃い5時間だった。うれしいし、ホッとした」。プロ10年目、30歳の節目でたどりついた初Vだった。
愛称は「ミッキー」。選手会副会長の原動力は「アイドル」だ。8月のSansan・KBCオーガスタ。18番グリーン脇で行われたHKT48のライブを食い入るように見つめ、AKB48の「フライングゲット」のダンスを完コピして踊った。翌日の最終日は65のビッグスコアで5位に入り「賛否両論あったけど、皆に『踊った甲斐(かい)があったね』と言われた」と笑い飛ばした。
アイドル好きの原点は中学2年の時。AKB48のCDを「A、B、Cタイプを全部買っていた」ほどハマり、峯岸みなみを推した。峯岸が13年に頭を丸めた際、たまたま同時期に自身も寝坊して丸刈りにしたため、周囲から「マネして坊主にしたんだろ」と話題になったという。大学までAKB48グループ内で推し変を重ね、近年は乃木坂46の西野七瀬ら「坂道グループ」にシフト。現在はグループ全体を応援する「箱推し」となった。
「目の保養です」と言う他にも、推す理由がある。「アイドルのパワーってすごい。それぞれの個性や魅力があって、全国を巡って元気を与える」。それはゴルフも同じ。「僕もどんどん優勝して、元気を与える存在になりたい」と誓う。
JTカップは過去4度出場し、23年の12位が最高だ。「寒さと風、グリーンの難しさにほんろうされてきたけど、今までの経験をぶつけるだけ。もう1回、花を咲かせたい」。飛躍の1年の最終戦のメジャーで頂点に立ち、アイドルのような輝きを放つ。(星野 浩司)
◆阿久津 未来也(あくつ・みきや)1995年3月17日、栃木県生まれ。30歳。3歳でゴルフを始め、作新学院高1年時に関東ジュニア優勝。日大4年時に日本学生選手権優勝。17年プロテスト合格。24年選手会副会長に就任し、賞金ランク21位。180センチ、78キロ。

