
8番第1打を放つ蝉川泰果(カメラ・古川 剛伊)
◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー 25年シーズン最終戦 メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第1日(4日、東京よみうりCC=7002ヤード、パー70)
逆転賞金王へ優勝が絶対条件の蝉川泰果(アース製薬)は5バーディー、4ボギーの1アンダー69で回り、トップと6打差の10位で初日を終えた。
15番のボギーで2オーバーまで沈みながら、3連続バーディー締めでアンダーパーフィニッシュ。難関18番パー3はピン奥に着弾した第1打が傾斜を伝い戻り、左手前3メートルのバーディーパットを沈めた。「18番はいいラインについて決められたけど、終盤はラッキーだった。全体的にはもう少し伸ばせた展開」とスッキリしない表情を浮かべた。
5回ほどカップに蹴られた。10番で1メートル、11番で70センチを外して連続ボギー。気持ちが切れそうな場面が続きながら持ちこたえられたのは、大先輩のおかげだった。第一線を退くことを前週表明したばかりのツアー通算20勝、谷口徹が来場した。「谷口さんから『一喜一憂するな』という助言を朝いただいたので、あまり考えないようにした」。スタート20分前に谷口に聞いた。「どういう気持ちで回っているんですか?」。返ってきた答えは「気持ちを入れすぎずるな。いかに自分が狙った所に打つかということに、もっと集中した方がいいんじゃないかな」。この日の18ホールに早速生きた。
賞金王を争う金子駆大、大岩龍一と最終組でスタートしたが、折り返し直後に、そろって苦戦した。「賞金王争いの緊張感はあまりなかった。2年前に中島啓太選手、金谷拓実選手とプレーした経験もある。年々経験値も増えてきた」と貫禄を漂わせた。トップとの6打差に「きつい」と正直な思いを口にしつつ「奇跡を起こしたい。修正すればいける。最後の3連続バーディーが明日への望みになった。プラスのマインドで入れる。それを生かしたい」。2023年以来の大会2勝目へ、浮上あるのみだ。

