尾崎将司さんが死去 谷原秀人選手会長「ジャンボさんほど繊細で、シャイで、面倒見のよい人はいません」


谷原秀人

谷原秀人

 男子ゴルフで国内最多のプロ通算113勝(うちツアー94勝)を挙げた尾崎将司さんが23日、S状結腸がん(ステージ4)のため、死去した。78歳だった。

 ジャパンゴルフツアー選手会の谷原秀人(国際スポーツ振興協会)は、日本ゴルフツアー機構(JGTO)を通じてコメントを発表した。

 「訃報に接し、ただただショックを受けています。最大限の敬意と感謝をこめて、ジャンボさん、と呼ばせていただきます。ジャンボさんには僕がプロ転向してすぐの頃から、とてもかわいがっていただきました。

 2023年の「マンダムルシードよみうりオープン」で、ジャンボさんを逆転して初優勝できたときにはなんだか急に一人前になれた気がして、胸が震えるほど嬉しかったことを、今でも覚えています。

 ファンのみなさんには豪快で、憎らしいほど強いイメージしかないかもしれませんが、ジャンボさんほど繊細で、シャイで、優しくて、面倒見のよい人はいません。僕もよく練習を見ていただきました。30歳のころからジャンボさんのご自宅にもお邪魔させていただけるようになりましたが、そのたびにすさまじい練習量とゴルフ愛にも圧倒されるばかりでした。

 肋骨が折れている、とわかっても「ヒデ、大丈夫だ。原因が分かったからいいんだ」と笑って、痛いのに練習をやめようとしない。ジャンボさんのライバルの青木さんもそうですが、このお2人のゴルフ熱に勝てる人間は、この世界に誰もいない、と僕は思っています。

 今年になってかなり体調が悪いと聞いていましたが、病名や症状は誰にも明かさなかった。たぶん、そういう姿を誰にも見せたくないし、知られたくなかったからではないか。最後の最後まで、そういう美学を貫く姿にも、真のプロゴルファー像を見せていただいた思いです。

 長嶋茂雄さんを崇敬されていた。まさか、同じ年にジャンボさんまで失ってしまうとは。もっともっとお話がしたかった。もっともっと、教えていただきたいこともたくさんありました。今はただ哀しくて、寂しくて、無念の思いで一杯です。

 ジャンボさんと過ごした時間と思い出は、一生忘れません。これからも、僕らのことを見守っていてください。よろしくお願いします」

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