【マスターズ】マキロイがウッズ以来の連覇 今田竜二が現地で見た進化「パワーと実力に加え精神面でも成長」TBSラウンド解説


◆米男子プロゴルフツアー メジャー初戦 マスターズ 最終日(12日、米ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC=7565ヤード、パー72)

 【オーガスタ(米ジョージア州)12日=星野浩司】最終ラウンドが行われ、2021年大会覇者でトップと9打差の29位から出た松山英樹(LEXUS)は7バーディー、4ボギーで4日間で初の60台となる69をマークし、通算5アンダーの12位で大会を終えた。ロリー・マキロイ(英国)はトップで出て71で回り、通算12アンダーで史上4人目の大会2連覇を達成。初日から首位を守る完全優勝を飾った。TBSでラウンド解説を務めた米ツアー1勝の今田竜二(49)が、大会を振り返った。

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 今週の松山選手は、流れが良くなってきた時に、らしくないミスが出る場面が見受けられました。ティーショットで曲げる。もしくはアイアンでグリーンを外す。そしていつもだったらOKにつける、もしくはチップインするようなところからボギーにする。本人も言っていましたけど、バーディーをたくさん取れたけど、簡単なところでボギーが出たと。パッティングは逆にいつもの松山英樹よりは良かったと思います。今週のパッティングで、いつものショートゲームがあれば、トップ5には軽々入っていたと思うし、優勝争いにも加わったでしょう。

 たらればの話にはなりますが、4日間で21個のバーディーを取っているので、1日2個ボギーを打ったとしても13アンダーで勝てているわけですよね。昨日も6つバーディーがありながらも6つボギーがあり、今日は7つバーディーがありながらも4つボギーがあった。初日に何個かあったような「しょうがないボギー」は良しとして、今週はもったいないボギーが多かった気がします。どうしても優勝を期待される立場ではありますが、12年連続決勝ラウンド進出はすごいこと。今年出ている選手の中でトップの記録ですし、本当に胸を張ってほしいなと思います。

 オーガスタも距離でねじ伏せるコースになってきた感はあります。昔のようにテクニックや経験でバーディーを取っていくという流れよりも、パワーでいかにねじ伏せるかということが大事なコースになってきたのかなというふうに思いました。優勝したマキロイ選手はパワー、パワーで押し切るタイプ。昨年のハリケーンの影響でコース内の木の量がかなり減りました。少々曲げてもリカバリーが効く。5年前、10年前のマスターズだともっと木々が茂っていたので曲げでもリカバリーができる状況ではありませんでした。少しずつコース自体も変わってきているのかなと。来年また、どういう風に変えてくるのかは楽しみですけど。

 マキロイ選手は一時期、自信をなくしていたことがありました。周囲から「もうメジャーを勝てないんじゃないか」と言われていた時期もありました。そういうことを乗り越えて、大人のゴルフができるようになったのかなと。17番のティーショットを見ても、今まではハイティーで振り抜いていっていたけど、この日は低いフェードを打っていました。攻めながらも守るというプレーを覚えたのでしょう。

 ショートゲームもうまくなりました。奥からパターで寄せた16番。グリーン右からアプローチで寄せた17番もそう。プレッシャーを感じる場面でOKにつけているので、精神力の維持の仕方がすごく楽だったと思います。あそこで1・5メートル残るようなパーパットがあったとしたら、また展開は少し違ったと思います。

 パワーと実力に加え、精神面でもたくましさが増したように映りました。今までのマキロイ選手だったら、ちょっと崩れた後、バタバタと崩れることが多かったのですが、今年のこのオーガスタでのマキロイ選手は、ボギーを打ってもダブルボギーを打っても、次でまた取り返してくるという展開が多かったです。

 ジャック・ニクラウス、ニック・ファルド、タイガー・ウッズ以来4人目の連覇です。伝説の選手に肩を並べました。パワーがあって、実力があって、自信もついて、精神面でも成長。今36歳ですが、40歳までにメジャーの勝利数(現在6勝)を積み上げていくのではないでしょうか。(プロゴルファー)

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