１４番へ向かう谷原（右）は、カートに乗った長嶋茂雄大会名誉会長（左）の激励を受ける
◆報知新聞社後援 男子プロゴルフツアー 長嶋茂雄招待セガサミーカップ最終日（３日、北海道・ザ・ノースカントリーＧＣ、７１６７ヤード＝パー７２）
単独首位で出た谷原秀人（３７）＝国際スポーツ振興協会＝が２バーディー、２ボギーの７２で回り、通算１４アンダーでツアー通算１２勝目を飾った。長嶋茂雄大会名誉会長（８０）の声援を受け、バーディーを決めて逃げ切った。日本勢４番手の世界ランク１０３位からの上昇は確実で、仮に辞退者が出ればリオ五輪代表圏内突入の可能性も出てきたが、治安面の不安などから不参加を示唆した。７０で回ったＴ・クロンパ（２６）＝タイ＝が２打差の２位。
生粋のカープ・ファンがミスター・ジャイアンツに感謝した。広島出身の谷原は現役時代に無類の勝負強さを誇った長嶋氏に勇気づけられた。「長嶋さんのお顔を見て、バーディーを取れた。パワーをいただきました」。１３番グリーン上。ミスターがカートで応援に駆け付けた。１４番は残り１０２ヤードのフェアウェーからの第２打を、５２度のウェッジでピン左１メートルにスピンをかけて止めた。バーディーで２位に４打差とし、昨年１１月以来の優勝を決定づけた。
４打差スタートで、一時は後続に１打差まで迫られたが「最後に勝つのは自分だと強く思い込んだ」。単独首位で最終日を迎えた大会は５戦５勝。長嶋氏に「おめでとう！ ４日間安定していて、ショットも良くて素晴らしかった」とねぎらわれ、握手を交わした。
小学４～６年まで野球少年。父・直人さんの勧めで１２歳でゴルフに転向した。父は２月、胃がんのため６７歳で死去。他界後の初Ｖとなり「親父にいい報告ができる」と喜びをかみしめた。
リオ不参加示唆 日本勢４番手の世界ランク１０３位から上昇は確実だ。慣例で同１００位以内が招待される全米プロ（２８日開幕・バルタスロールＧＣ）出場も当確。「（同一年の）メジャー３つは初めてなのでうれしい」。可能性があるリオ五輪代表入りは「治安が心配。守らなければならないものもある」と不参加を示唆した。
賞金ランクは２位に浮上し、０６年の自身最高位に並んだ。「賞金王は目指している。海外メジャーで上に行ければ賞金も大きい。今年カープが優勝したら俺もなれるかな？」。広島とともに最高の１年にする。（榎本 友一）