松山、メジャー自己最高の4位も「チャンスで入らないのが今の実力」


 ◆男子プロゴルフツアー・メジャー最終戦 全米プロゴルフ選手権最終日(31日、米バルタスロールGC=7428ヤード、パー70)

 【スプリングフィールド(米ニュージャージー州)31日=高橋宏磁】雨で順延された第3ラウンド(R)と最終Rが行われ、松山英樹(24)=LEXUS=は67、68で回り、通算9アンダーでメジャー自己最高の4位に入った。日本人では中嶋常幸以来2人目のメジャー全大会トップ10入りを達成。ジミー・ウォーカー(37)=米国=が通算14アンダーでメジャー初優勝を果たした。

 最後は笑って、大歓声に応えた。最終18番で約3メートルを沈めバーディー締め。メジャーで初めて4日間とも60台で回った松山は「4日間久しぶりにいいプレーができたのはうれしかった。自信がないのが少し戻ったかな」と満足感を漂わせた。

 第3Rの10番終了時で首位と2打差。日本人初のメジャー制覇の可能性は十分にあったが、チャンスを決めきれなかった。最終Rの17番パー5、ピンまで残り約120ヤードの第3打。PWで放ったボールはピン奥2メートルに着弾すると、バックスピンで手前1メートルについた。だがバーディーパットはカップに蹴られた。

 4打差を追ってスタートした最終Rも9、14番で2メートルのバーディーパットを外した。パーオン率は4日間通算で約82%と部門別4位も、平均パット数は30・75。優勝したウォーカーのパーオン率は約76%(同12位)だったがパット数は28・75で栄冠をつかんだ。「チャンスで入らないのが今の実力。伸ばすためのパットが入らないと勝負にならない」。グリーン上での勝負強さが、優勝者との差だった。

 マスターズ、全米オープン、全英オープンに続き全米プロでもトップ10入り。4大メジャー全試合で10位以内に入った日本人は中嶋常幸以来2人目の快挙で、さまざまな環境に適応できる能力の証しだ。1日に36ホールをこなすタフな日程。午前6時前にコースを訪れ7時に第3Rを開始。同10時40分に第3Rを終えると、約90分の練習をこなして午後2時40分から最終Rへ。競技を終えたのは午後6時半過ぎだった。長丁場の戦いを、ボギーは第3Rの1つだけで切り抜けた。

 帰り際の駐車場。リオ五輪日本代表の池田勇太を見つけると「リオ頑張って」とエールを送った。五輪を辞退した松山は、18日開幕のウィンダム選手権から米ツアーに復帰する予定だ。「冷静になって、メジャーで勝つためにはどうしたらいいか考えたい」。確かな手応えと悔しさを胸に、怪物は夢に向かって牙を磨く。

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