【ゴルフ・藤田寛之Point】メジャーと違う達成感競技普及のための五輪


 大会前は世界ランク上位者に辞退者が続出して、どうなるのか心配でした。それでも同9位のローズと4位のステンソンが最終日に伸ばし合いを演じて、締まった試合になった。誰が3位になるのかも普段の試合にはない視点で面白かったです。1万2000人近いギャラリーが詰めかけ、メジャーのような盛り上がりに見えました。

 金メダリストのローズが「表彰式で国歌が流れたときは素晴らしく誇らしい瞬間だった。この感動を伝えていきたい」と話したと聞きました。メジャー優勝とも違う、ものすごい達成感があるんだと思います。僕には五輪は賞金や名誉ではなく、競技普及のための部分が大きいように見えました。普段、ゴルフになじみのない国や地域でも五輪はテレビ放送される。それを見て興味を持ってくれる子供たちも多いはず。ゴルフの五輪メダルの価値は、今後大会を積み重ねる中で見えてくると思います。

 4年後の東京五輪では、日本ゴルフ界の発展に拍車をかける大会になってほしい。世界で通用する若手育成のためにも、今大会のような世界基準のコースを国内に設けていただきたいですね。

(12年日本ツアー賞金王)

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