女子プロゴルフツアーのスタンレーレディスは7日から3日間、静岡・東名CC(6586ヤード、パー72)で行われる。前週のメジャー、日本女子オープンを史上初めてアマチュアで制した畑岡奈紗(なさ、17)=茨城・ルネサンス高3年=は5日、10番からの9ホールを練習ラウンド。新ドライバーを試すなど、高い向上心で関係者を驚かせた。7日の第1ラウンド(R)組み合わせも発表され、今季賞金ランク1位のイ・ボミ(28)=延田グループ=、同2位の笠りつ子(28)=京セラ=と同組に入った。
規格外の向上心で周囲の度肝を抜いた。畑岡は午前9時前にコースに出て、練習場でダンロップスポーツ社のスリクソンZ765リミテッド、通称「松山英樹モデル」のドライバーを初使用。ハードヒッター向けモデルで、いきなり快音を連発した。同い年のアマ・松原由美(17)=大阪学院大高3年=との練習Rに持ち込んで実戦初テスト。11番、12番で約260ヤード超えの強弾道でフェアウェーをとらえた。小ぶりなヘッドが特徴で「構えやすくて5ヤードくらいは飛んでます」と好感触を口にした。
前週優勝時のドライバー、Z545は約2年間愛用する。練習R後も練習場でメーカー保有の弾道測定器を借り、スイングスピードなどを確かめながら新兵器を試した。見守った関係者は「優勝翌大会で、違うクラブを試す選手はプロでもあまり見たことがない。畑岡さんは、それだけ求めているものが高いのでしょうね」と驚き、現状に甘んじない向上心に目を細めた。
今大会がアマ最終戦となる可能性が高い。畑岡は「安定感はまだ。この試合(の使用)はないと思います」と新兵器の即投入は否定。それでも、プロ転向後と来年からの米女子ツアー参戦も見据え、早くも“プロ仕様ドライバー”を試した姿勢に、スケールの大きさを感じさせた。
初日は昨季賞金女王のボミ、今季好調の笠と同組になった。大勢のギャラリーが予想され、重圧は増すばかりだが、新ヒロインは「今トップのお2人なので、すごく勉強になると思います」「緊張しますけど、うれしいです」などと、大物ぶりをうかがわせた。
4日夜、中学2年から指導を受ける国内男子ツアー通算48勝の中嶋常幸(61)から電話で「強い選手は優勝した次の週でも強いんだぞ」と激励された。「そうできるように頑張りたい。調子はそこまで悪くないと思うので」。活躍で期待に応え、畑岡は国内ツアーで史上初のアマ2勝目の偉業に挑む。(榎本 友一)