畑岡奈紗はアメリカ!挑戦意思固く「やりたい」米女子ツアーだめなら下部参戦も


 日本女子ツアー史上最年少の17歳271日でプロ転向した女子ゴルフの畑岡奈紗(なさ、17)=茨城・ルネサンス高3年=が12日、来季の米女子ツアーの出場権をかけた2次予選会(20~23日、米フロリダ州)に参戦するため、成田空港から渡米。仮に米女子ツアーの出場権が得られなかった場合でも、2次予選会の上位80人に出場権が与えられる米女子下部ツアーでの米挑戦を最優先する意向を示した。

 女子高生プロの米挑戦にかける思いは強かった。2次予選会で80位以内なら最終予選会に進めると同時に、来季の米女子下部ツアーの出場権を獲得。環境の厳しい下部ツアーの出場権しか獲得できなかったケースを問われた畑岡は、「まだ(日米の)どっちでやるか決められない」と前置きした上で「できるなら米国でやりたい」と言い切った。

 基本路線は米挑戦だ。10日にプロ転向して来秋まで1年間の国内ツアー出場権を得たが、賞金シード選手と違って出場義務試合数は0。日本での“足かせ”がないことも、畑岡の希望を後押しする。米国で活躍する松山英樹や宮里美香らが、米フロリダ州を拠点にしていることから、同州に拠点を設ける考えも明かした。2次予選会から最終予選会に進出し20位以内に入れば、来季の米女子ツアーのほぼ全試合に出場が可能。「しっかり上位で通過できるように頑張りたい」と闘志を燃やした。

 前々週の日本女子オープンで優勝し、一気に時の人となった。注目が集まる中、前週のスタンレーレディスではV争いを繰り広げた末に4位。「少し疲れが残っている」と言いながらも表情は終始、明るかった。渡米後、2次予選会初日までは1週間ほど時間がある。「できたら観光もしたい」とはにかんだ。

 心強い“援軍”もいる。2次予選会では、アマ日本代表チームのコーチを務めるガース・ジョーンズ氏(豪州)がキャディーを務める予定。同氏とタッグを組むのは初めてだが、スイング動画などを送付し助言を受けたこともあるだけに「心強いし、安心感がある」と話した。

 今回は、遠征の際に必ず持ち歩く枕を持参したぐらいで「特別なものは持っていかない」。中学1年から現在まで約10か国に遠征した経験を持つだけに、単身での渡米にも不安はない。17歳は「行ってきま~す」と笑顔を振りまき、機上の人となった。(高橋 宏磁)

 ◆米挑戦を最優先させた主な女子選手

 ▽宮里美香 2008年夏、アマのまま米フロリダ州のIMGアカデミーに留学。日本のプロテストは受験せず、同年の最終予選会を12位で突破し、翌年から米ツアーに参戦した。

 ▽森田遥 14年、日本のプロテストは受験せず、米予選会に挑戦。下部ツアーの出場権しか得られなかったが、米でのプロ転向を宣言。15年は下部ツアーで戦い賞金ランク11位。同10位以内に与えられる米ツアーの出場権を獲得できず、今年から日本参戦。

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