堀琴音、アマ畑岡に敗れた女子OPで成長…悲願初Vへ首位発進


1番ティーグラウンドで笑顔を見せる堀琴音。初日首位に立った

1番ティーグラウンドで笑顔を見せる堀琴音。初日首位に立った

 ◆女子プロゴルフツアー 富士通レディース第1日(14日、千葉・東急セブンハンドレッドC西C、6635ヤード=パー72)

 ツアー未勝利の堀琴音(20)=東芝=が5バーディー、ボギーなしの67で回り、今季2勝の笠りつ子(28)=京セラ=と並んで5アンダーで首位に立った。堀は2週前の国内メジャー・日本女子オープン(OP)で当時アマチュアの畑岡奈紗(17)=茨城・ルネサンス高3年=に敗れて2位。悲願の初優勝へ好スタートを切った。アマチュアとして史上初のツアー2勝目を狙う勝みなみ(18)=鹿児島高3年=は、1アンダー19位につけた。

 日本女子OP最終日の18番グリーンで流した悔し涙が、20歳の堀を成長させた。「プレー自体は変わらないが、精神的に少しミスをしてもめげずに平常心でプレーできるようになった」。出だしの1番は第3打をバンカーに入れていきなりピンチを迎えたが、1・5メートルに寄せる好リカバリーでパーセーブ。その後は17番以外の全ホールでパーオンする危なげないゴルフで、今季初の首位発進を決めた。

 スタート前の練習ではショットの調子が良くなかったため、グリップを短く持って修正した。「この爪が伸びた分、1センチぐらい(短く持った)」と親指を立て、「単純に考えて今日初めてやった」というひらめきが奏功。15番では残り156ヤードを4ユーティリティーでピン1メートルに絡め、5つ目のバーディーを奪った。

 日本女子OPでは2日目で単独首位に立ったが、最終日の17番でボギーを叩いて首位から陥落し、18番で8メートルのバーディーパットを外して初優勝を逃した。「プロが負けたことは本当に情けない」と涙を流したが、今では「4日目の18番まで優勝争いをしたのは初めて。あそこまではできて自信になった」と思えるようになった。

 プロとしてのプライドもある。日本女子OPでは当時アマの畑岡が賞金をもらえないため、優勝賞金と同額で2位としてはツアー史上最高額の2800万円を獲得。賞金ランクは36位から11位に急上昇(現在は12位)。「今季優勝者」と「賞金ランク25位以内」が出場できる今季最終戦・LPGAツアー選手権リコー杯(11月24~27日・宮崎CC)出場も確実となった。それでも、堀は「リコーには優勝者として出たい。正直、早く優勝したいです!」とキッパリ。今度こそ最終日の18番グリーンでヒロインとなる。(勝田 成紀)

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