川岸史果、首位発進!父・良兼超え「メジャー優勝」宣言


7番、芝を飛ばしながら第2打を放つ川岸

7番、芝を飛ばしながら第2打を放つ川岸

 ◆報知新聞社後援 女子プロゴルフツアーメジャー第1戦ワールドレディス サロンパスカップ第1日(4日、茨城・茨城GC西C=6670ヤード、パー72)

 男子ツアー通算6勝の川岸良兼(50)の次女・史果(22)=加賀電子=が5バーディー、1ボギーの68で回り、4アンダーで首位発進。メジャー初出場初Vなら日本人プロでは8人目の快挙だ。昨年より2139人多い1万3097人が集結し、昨年大会で記録した初日のツアー史上最多観客を更新。大型連休に押し寄せる大ギャラリーの前で、父も成し得なかったメジャー制覇を狙う。

 父譲りの豪快なスイングで大ギャラリーをどよめかせた。17番の第1打。川岸は目の覚めるような一振りで300ヤード近く飛ばした。残り222ヤードの第2打をグリーン左まで運ぶと、15ヤードのアプローチを1メートル半に寄せて楽々バーディーだ。平均270ヤードの飛距離を生かし、初メジャーは4アンダーで首位。「ドライバーで大きく振れた。父がメジャーで勝ってないなら先に優勝したい」。良兼は05年日本オープンの2位が最高。自信をみなぎらせ、堂々と“父超え”を宣言した。

 宣戦布告の裏には、親子の激しいライバル関係がある。良兼は50歳になった今季シニアデビュー。昨夏のプロテストに合格した史果とは、どちらが先に初優勝するか火花を散らしている。父は娘の前で「おまえが俺に勝てるわけない」と豪語するが、今季の女子ツアーは38試合に対し男子シニアは18試合と圧倒的に不利。史果は開幕戦の2位など今季トップ10に3回入っており、既に2000万円超を稼いで来季のシード獲得も決定的。父は「やっぱり(先に勝つのは)無理かも…」と母・麻子さん(50)に弱音を吐いており、娘の優勝賞金で車を買ってもらうため、カタログを眺めているという。

 父は5日から祖母・スミ子さんとともに来場予定。大会前には史果に「予選は通れよ」とプレッシャーをかけ「女の子なんだからカワイイ色を着ろ。テレビに映ったら目立つんだから」と指摘した。普段は地味な黒やグレーを着ることが多いが、契約メーカーから新しいものを取り寄せ、この日は全身ピンクの派手なウェアを着用。「父はテレビで見ていると思う」。プロとしての心構えを説いた父に文句なしの結果で応えた。

 初日のギャラリー数は昨年大会で記録したツアー史上最多を更新。「世界ランク上位の選手と一緒に回りたい。トンプソンと同組? ぜひ! 優勝争いがしたいです」。世界ランク5位の昨年覇者にも動じない大物の予感を漂わす22歳が、メジャー制覇で仁義なき“親子ゲンカ”に終止符を打つ。(浜田 洋平)

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