韓国の「チャリティーエンジェル」金楷林が初V


通算11アンダーで優勝した金楷林は、優勝杯を手に笑顔を見せる

 ◆女子プロゴルフツアー サマンサタバサレディース最終日(16日、茨城・イーグルポイントGC)

 単独首位でスタートした金楷林(27)=韓国=が67をマークし、通算11アンダーで2位に4打差をつけ日本ツアー初出場初優勝を飾った。支援活動に積極的なことから韓国では「チャリティーエンジェル」と呼ばれる人気選手は、優勝賞金の10%を寄付すると明かした。韓国のユン・チェヨン(30)=Hanwha=と岩橋里衣(31)=フリー=が7アンダーで2位。

 最終18番。約50センチのウィニングパットを沈めると、金は両手を突き上げた。2位に4打差をつけ初参戦の日本ツアーで初優勝。「一生の中で一番うれしい日になった」とほほ笑んだ。

 パーオン失敗は1ホールだけと、自慢のショットで攻めた。首位に並ばれた直後の11番で約2メートルを決め伸ばすと、13、14番でともに約4メートルのバーディーパットを沈め突き放した。世界ランク34位で同週の全米女子オープンの出場権も持っていたが「全米女子に(日本の)賞金上位の選手が出るから、この大会には上位選手が出ないと知っていた。勝ちたいと思っていた」と有言実行Vを果たした。

 07年から全試合の賞金の10%を慈善団体などに寄付しており、韓国では「チャリティーエンジェル」と呼ばれる。優勝賞金の使い道を問われると「10%(108万円)を寄付したい。今は合計3億ウォン(約3000万円)ぐらいだけど10億ウォン(約1億円)を寄付するのが目標」と目を輝かせた。優勝で来週からの1年間、日本ツアーの出場権を得た。「今年は大きな大会には出たい。本格的には来年から日本に参戦したい」。心優しい27歳には、日本で稼ぐ理由がある。(高橋 宏磁)

 ◆金 楷林(キム・ヘリム)1989年9月8日、韓国・ソウル生まれ。27歳。中3から両親の影響でゴルフを始める。2007年に韓国でプロ転向。16年に韓国ツアーで初優勝を含む2勝を挙げ、賞金ランク6位。今季も同ツアーで2勝し賞金ランク2位。得意クラブはアイアン。ロッテ所属。167センチ、57キロ。家族は両親。

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