川岸史果、逆転自己新64で初優勝 史上初の父娘V「やっと」達成


15番、バーディーパットを沈めガッツポーズする川岸史果。13アンダーでツアー初優勝を果たした(カメラ・谷口 健二)

15番、バーディーパットを沈めガッツポーズする川岸史果。13アンダーでツアー初優勝を果たした(カメラ・谷口 健二)

 ◆女子プロゴルフツアー マンシングウェアレディース 東海クラシック最終日(17日、愛知・新南愛知CC美浜C)

 2打差7位から出たツアー本格参戦1年目の川岸史果(22)=加賀電子=が8バーディー、ボギーなしの64で回り、通算13アンダーで初優勝を果たした。通算6勝の父・良兼(50)と史上初の父娘Vを達成。宮里藍が引退する日に、大器が来季の米ツアー挑戦へ弾みをつけた。2打差の2位は比嘉真美子(23)=フリー=。

 最終18番、50センチのパーパットを沈め、スコア提出所に待機していた史果に吉報が舞い込んだ。涙はない。「やっと勝てた」と初Vの味をかみ締めた。今季は4度も最終日最終組があるが、この日は2組前から猛チャージ。前半6連続バーディーで首位に立つと後半も伸ばし、自己ベストを1打更新する64で逆転した。

 ティーショットでは観客が必ず感嘆のため息を漏らす。父譲りのドライバー平均飛距離約270ヤードのパワーを武器に、初の父娘Vを達成。シニアツアー参戦中で福岡にいる良兼は「オレ、泣きそう。これでもう川岸良兼の娘って言われることもなくなるな。今度は史果のおやじってオレが言われる番だな」とうれしそうに話した。

 史果は「(今季シニアデビューの)父より先に勝ててうれしい」と声を弾ませつつ、「私はやっと1勝。6勝してる父は改めてすごい」と偉大さを感じた。両親ともプロゴルファーと恵まれた遺伝子を持つが、プロテストは昨夏に4度目で合格した苦労人。鈴木愛(23)ら同期が活躍する中、「悔しさもあったけど、プロになる前に苦労したから今の活躍がある」と胸を張った。7月には弾道とスピン量などを測定する約250万円のトラックマンを購入し、100ヤード以内のショットを磨く努力も実った。

 偶然にも宮里藍が引退する日に、米ツアーを目指す22歳が初タイトルをつかんだ。中3でプロツアーに初出場し、ローアマ(16位)を獲得した09年のNEC軽井沢72では、藍から「すごいね」と声をかけられた。「米国挑戦の前に優勝できて本当によかった」。次の目標は国内メジャー・日本女子オープン(28日開幕)制覇と、10月19日から始まる来季米ツアー出場権をかけた2次予選会(米フロリダ州)の突破だ。(岩原 正幸)

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