前回、飛距離をアップさせるためにはクラブ全体を振るのではなく、フェースを振る意識を持ってほしいということを説明しました。今回は、その意識を持つために具体的にレッスンします。
シャフトの先にバットがついた練習用器具があります。野球で例えると、このバットを「リトル自分」が振る。それがフェースを振るということです。
残念ながら、多くのアマチュアが勘違いをしています。「リトル自分」が、このバットでバントをしてしまっているのです。バントを全否定するわけではありません。ボールを飛ばさないアプローチならば、バントがいい。しかし、飛ばすためにはバントではダメですよね。
「クラブ全体の運動量」と「フェースターン量」を比べた時、プロは「フェースターン量」が多い。しかし、アマは「クラブ全体の運動量」の方が圧倒的に多い。「クラブ全体の運動量」の割合を減らすことが、飛距離アップの秘けつです。
そのためにはどうすればいいか? まずは、58度のサンドウエッジで練習しましょう。プロのショット(あくまでアプローチではありません)は、58度のロフトが54度、あるいは50度に減らしてボールを打っています。アマチュアは58度のまま、あるいは60度に開いてショットしているのです。クラブは勝手に開こうとする性質があります。そのため、フェースを意識的に閉じるというイメージが必要です。それが「リトル自分」がクラブの先のバットを振るということなのです。(取材、構成・竹内 達朗)
◆森 守洋(もり・もりひろ)1977年2月27日、静岡・下田市生まれ。37歳。下田北高入学後にゴルフを始める。高校卒業後、米カリフォルニア州サンディエゴで修業し、20歳でプロ転向。22歳で帰国した。「ダウンブローの神様」と呼ばれる陳清波プロ(83)に師事し、ゴルフ理論を磨いた。2011年、賞金シードを逃すなど低迷していた原江里菜とコーチ契約を結び、原の飛躍を陰で支えた。東京ゴルフスタジオ主宰。172センチ、70キロ。
◆東京ゴルフスタジオ 室内に5打席、スイング解析機、バンカー・アプローチエリア、トレーニングスペースなどを、屋上にパッティンググリーンなどを備える。森コーチをはじめ7人のスタッフの指導は分かりやすく、楽しいと評判。入会金1万円、月会費2万~3万円、メンバーレッスン料(40分)は2000円(いずれも税別)。詳細は東京ゴルフスタジオ(TEL03・5314・1551)まで。所在地は東京・三鷹市北野4の5の41。