“くまモン似”秋吉翔太、初Vで丸刈り卒業だ


ギャラリーの歓声に帽子を取って応える秋吉翔太

 ◆男子プロゴルフツアー 中日クラウンズ第3日(28日、愛知・名古屋GC和合C)

 2打差2位で出た秋吉翔太(ホームテック)が5バーディー、1ボギーの66をマーク。通算11アンダーで自身初の単独首位で、ツアー初優勝に王手をかけた。出身地・熊本県の人気キャラクター「くまモン」似の27歳が、歴史と伝統の大会で初の栄冠に挑む。5差12位で出た昨年大会王者・宮里優作(37)=フリー=は66で3差3位へ浮上。69で回った10年大会覇者の石川遼選手会長(26)=カシオ=は、4打差8位から逆転Vを狙う。

 プロ10年目で悲願の初優勝に王手をかけた。秋吉は最終組で堂々の66をマークし、初の首位に躍り出た。会見席に座ると「うわ、すげぇ~。何これ」と初々しく報道陣や周囲を見渡した。「大変なことですね。明日、一生懸命頑張るしかないですね」と頬を緩めた。

 安定したゴルフだった。1番で左奥6メートル、3番で5メートル、9番で1メートルのバーディーパットを沈めて首位に浮上。「パットがいい感じで打てているのが大きい。5メートル圏内にいけば何個か入る」。ウッドはドライバー1本だけの変則セッティング。「このコースでは武器になる」と飛距離240ヤードの2アイアンを9番の第1打など要所で用いる。

 今季はツアー開幕から3戦連続予選落ち。戒めに「トップ10に入るまでは坊主頭」と2週前から自らバリカンで刈り上げ、帽子をかぶってプレーする。「優勝して坊主を回避できれば一番いい。最低限、今週で回避したいです」と笑う。

 ツアー初の最終日最終組だ。「周りは見ずに、コースと向き合って自分のゴルフをするだけ」。熊本出身でボール、バッグには自身にも似たくまモンのロゴが入っている。「(16年4月の熊本)震災があったので」と秋吉。優しい1児のパパは、マイペースで伝統の王冠をつかみ取る。(榎本 友一)

 ◆秋吉 翔太(あきよし・しょうた)1990年7月22日、熊本県生まれ。27歳。10歳からゴルフを始め、鹿児島・樟南高では2008年国体少年男子個人で松山英樹を抑えて優勝。14、15年と下部ツアーで計3勝。昨年は日本オープンで自己最高4位など、賞金ランク43位で初の賞金シードを獲得。175センチ、85キロ。家族は妻と1男。

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