不思議系ルーキー小祝が首位キープ 初Vへ王手


18番、パッティングの前に芝目を読む小祝さくら(カメラ・馬場 秀則)

18番、パッティングの前に芝目を読む小祝さくら(カメラ・馬場 秀則)

 ◆女子プロゴルフツアー 中京テレビ・ブリヂストンレディス 第2日(19日、愛知・中京GC石野C=6441ヤード、パー72)

 首位スタートのルーキー・小祝さくら(20)が強風の中2バーディー、1ボギーの71と踏ん張り、通算8アンダーでトップを守った。韓国のヒップホップグループ「防弾少年団」のライブでは緊張するが、ゴルフでは緊張しないという“不思議系ルーキー”はプレッシャーを感じないまま初優勝を目指す。

 昨年7月にプロテストに合格し、今季からツアーに本格参戦。同期にはアマ時代にツアー優勝した勝みなみ、サイバーエージェントレディスで初優勝した新垣比菜、美人プロとしてブレイク中の三浦桃香ら逸材がそろう。「黄金世代」と呼ばれる一員の小祝も独特のタレント性を持っている。

 この日は最終組でプレー。最大瞬間風速は毎秒12・1メートルという大荒れの天候の中、メンタルは平穏に保ちスコアを1つ伸ばした。「ゴルフで緊張したことはほとんどありません。人生で一番、緊張したのは『防弾少年団』のライブを見に行って(ステージから)席が近すぎた時。2列目でした」とほんわかとした表情で話す。

 スタート前のウォーミングアップでは音楽を聴くが、大好きな「防弾少年団」の曲はあえて聴かない。「好きな音楽はプレー中も頭の中から離れなくなり集中できないので、スタート前には聴きません。あまり好きではない曲を聴きます。きょうは光GENJIのパラダイス銀河でした」。小祝が生まれる10年も前の1988年に大ヒットした名曲を挙げた。

 北海道・飛鳥未来高3年で、アマチュアだった16年のニッポンハムレディスで第1、2日と首位を走り、最終日最終組を経験している。8位に終わったが、プレッシャーではなく単純に実力不足だったととらえている。「ゴルフで緊張したのはアマ時代に初めてのプロツアーに出場した時(13年meijiカップ)の初日の第1打くらいかな。プロテストも緊張しませんでした」。感情の起伏が少なく緊張とは無縁のメンタルは、ゴルフに適している。

 最終日(20日)の終盤、初優勝をかけてしびれる展開となった時、緊張するのだろうか。「もしかしたら(緊張は)するかもしれませんねえ」と笑う。むしろプレッシャーを楽しみにしている20歳が大仕事をやってのける可能性は、ある。

 1打差2位に穴井詩(30)と台湾のテレサ・ルー(30)。さらに1打差の4位に上田桃子(31)らが続く。「セクシークイーン」と呼ばれる韓国のアン・シネ(27)は70で回り、通算3アンダーとして、40位から首位と5打差の9位に急浮上。日本ツアーでは今季初、昨年10月の樋口久子・三菱電機レディス以来7か月ぶりの予選通過を決めた。

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