◆女子プロゴルフツアー サマンサタバサレディース第1日(13日、茨城・イーグルポイントGC)
初優勝を狙う岡山出身の東浩子(26)=加賀電子=が5バーディー、1ボギーの68で回り、首位と2打差の7位発進。地元の勝田郡に大きな被害はなかったが、200人超の死者が出た西日本豪雨被害に心を痛めながらプレー。倉敷市に住む高校の友人らも避難生活を強いられており「初優勝で故郷を元気づけたい」と誓った。ホステスプロの勝みなみ(20)=明治安田生命=ら5人が66で首位に立った。
700キロ以上離れた茨城から、東が故郷・岡山に届けとばかりに勇敢なプレーを見せた。後半の6番、残り145ヤードの第2打を8アイアンで“ベタピン”につけ、ここから8番まで3連続バーディー。「後半からショットの調子が良くなった」。酷暑にも負けず、今季自身2番目に良い68で好スタートを切った。
「いつもより強い気持ちを持って戦った」。県東部の地元・勝田郡勝央町は西日本豪雨での深刻な被害はなかったというが、倉敷市に住む作陽高(岡山)時代の同級生らは自宅や自営の店が浸水し、今でも避難生活を余儀なくされている。「先週の土日に(ツアー開催地の函館から)すぐに連絡を取り無事を確認したけど、ただごとではないと。すごく心配です」と明かした。
その上で「自分たち(ゴルファー)ができることは限られている。勇気を与えられるように。初優勝して喜んでもらいたい」と続けた。自身は金太郎ゆかりの町出身で、ゆるキャラの「きんとくん」と地元のCMに出演するなど、故郷愛は強い。
2012年夏にプロテストに合格し、本格参戦5年目の昨季、賞金ランク33位で念願の初シードを獲得した苦労人だ。「今年は焦らず、自分のゴルフに徹することができている」。被災地の状況に心を痛めながらも、少しでも明るい話題を届けようと奮闘している。(岩原 正幸)