◆女子プロゴルフツアー サマンサタバサレディース第2日(14日、茨城・イーグルポイントGC)
12位から出た通算1勝の川岸史果(23)=加賀電子=が5バーディー、ボギーなしの67で回り、通算8アンダーで首位と1打差の5位に浮上した。男子ツアー6勝の父・良兼(51)=フリー=は、シニアツアーのメジャー、日本シニアオープン選手権(北海道ニドムクラシックC)3日目を71で回り、3打差2位。父娘ともに優勝争い中だ。史果は史上初となる親子同日優勝の快挙を誓った。
バーディーパットの行方を見守ると1990年代に6勝した父・良兼をほうふつとさせる気合の入ったガッツポーズを披露。18番で5メートルを沈め、首位と1打差で最終日を迎える史果は、キャディーの母・麻子さん(51)に背中をポンとたたかれ、笑みを浮かべた。「春先はショートパットに苦しんでいたのが良くなった。ショットの距離感も合ってきた」と前週2位からの好調ぶりに手応えを口にした。
昨年9月に史果が初優勝し、史上初の父娘Vを達成した。今回は史上初の親子同日優勝が懸かる。シニア参戦2年目の父はツアー初勝利を目指し、日本シニアオープンで4位から2位に浮上、2連覇中の首位・マークセン(タイ)を3打差で追う。大会中は姉を含めた家族4人のグループLINEで連絡を取り合っている。
前日13日は「頑張ってるね」(良兼)と激励され、「暑くて死にそう」(史果)と返すと、「こっち(北海道)は20度くらいで涼しいよ」と届いた。過ごしやすい気候でプレーする父は、茨城の連日の炎天下(2日目は気温32・3度)を気遣い、「母(麻子さん)の心配ばかりしている」という。
父から譲り受けた飛距離でも魅了した。5月にエースドライバーのヘッド内部に亀裂が入った影響で、その後は3ウッド(W)の使用が増えた。この日はティーショットで8回、3Wを握り「240ヤードはコンスタントに飛ぶので安心して打てる」と、持ち味のパワーを生かした。
「今まで親子で同日優勝はないので、できたらすごいですね」と史果。「優勝したら泣いちゃいそう」と話しているという良兼に対し、「最終日は私より父の方が緊張すると思う」ときっぱり。これも昨年1勝して生まれた余裕なのか。女子ツアー、シニアツアーと日本ゴルフ界を盛り上げる川岸親子から目が離せない。(岩原 正幸)
【父は親子同日優勝に向け3打差2位】
◆男子シニアツアー メジャー第1戦 日本シニアオープン選手権第3日(14日、北海道・ニドムクラシックC)
次女の史果(23)=加賀電子=と親子同日優勝を狙う川岸良兼(51)=フリー=が71で回り首位と3打差の2位につけた。シニア初参戦で国内ツアー初のレギュラー&シニアの同一年メジャー制覇がかかる谷口徹(50)=も2位。タイのプラヤド・マークセン(52)=フリー=が4アンダーで首位。