“ゴルフ界のローラ”エイミー・コガ、史上初20アンダーでプロテスト突破


最終プロテスト史上、最少ストローク記録でトップ合格を果たしたエイミー・コガ(カメラ・高橋 宏磁)

 ◆女子ゴルフ 最終プロテスト最終日(27日、兵庫・チェリーヒルズGC)

 昨年は最下位で不合格になった“ゴルフ界のローラ”が記録的なトップ合格を果たした。米国ハワイ育ちで176センチのエイミー・コガ(22)=フリー=が70と伸ばし通算20アンダー。記録の残る1996年以降では最終プロテスト史上初めて20アンダーの大台を突破し、昨年の雪辱を果たした。尾崎将司の弟子の原英莉花(19)=フリー=は10位。通算8アンダー20位までの21人が合格した。

 コガは日焼けした肌から白い歯を見せて高い声で笑った。首位タイで迎えた最終18番。約1メートルのバーディーパットを沈めてトップ合格。「3打目は85ヤードと得意な距離が残った。20アンダーが目標だったから良かった。イエーイ。ハハハ」と天真らんまんな笑顔がはじけた。

 生まれは日本だが2歳以降はブラジル、米国で過ごすなど海外での生活が長く「漢字や敬語は苦手なの」。米ハワイの高校を卒業後、19歳で米ワシントン大に進学し、2年後にゴルフに集中するため米ハワイ大に編入。176センチのモデル体形や話し方などから「(タレントの)ローラに似てるって言われる。ハハハッ」。

 母は韓国系米国人で客室乗務員。父の古賀裕規男さん(49)は様々なスポーツの指導員の資格を持ち「プロのローラースケーター」。1980年代には超人気グループの光GENJIにローラースケートを指導し、バックダンサーとしてテレビ番組に出演したことも。重圧のかかる場面でも動じない精神力は、父譲りだ。

 約2年前にハワイから大阪へ移住し昨年の最終プロテストに初挑戦。予選は通過したが85位の最下位で不合格に終わった。「いきなり日本では経験が足りなかった」と今年はあえて不慣れな韓国の下部ツアーにも挑戦し、経験を積んできた。

 トップ合格で来週から14試合の出場権を獲得した22歳は「来週は北海道。楽しみ~」とまた笑った。常に笑顔で誰でも気さくに話しかける明るい性格。“ゴルフ界のローラ”がツアーでも旋風を起こす。(高橋 宏磁)

 ◆最終プロテストでの最少ストローク記録 記録の残っている1996年以降、3日間競技では2001年の通算12アンダー(ウェイ・ユンジェ)。4日間競技では17年の通算11アンダー(松田鈴英)が記録だった。通算20アンダーを突破したのは、今年が初めて。また最下位合格者のスコアが通算8アンダーとなったのも96年以降では最少となった。これまでは17年の2アンダーだった。

 ◆エイミー・コガ 1995年8月26日、長崎・佐世保市生まれ。22歳。ハワイ在住だった8歳からゴルフを始める。「教育が最優先」という父の指導方針から一度は米ワシントン大に進学。師匠は父。得意クラブはSW。特技は「ベリーダンス」。家族は両親と妹2人。176センチ、57キロ。

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