成田美寿々、夢の中で“お告げ”従ったら逆転Vへ4差3位


18番でバーディーパットを惜しくも外した成田美寿々

18番でバーディーパットを惜しくも外した成田美寿々

 ◆女子プロゴルフツアー ヤマハレディース第3日(6日、葛城GC山名C)

 23位から出た通算11勝の成田美寿々(26)=オンワードホールディングス=が3バーディー、ボギーなしで、この日ベストスコアに並ぶ69で通算イーブンパーの3位に浮上した。元世界ランク1位のアリヤ・ジュタヌガーン(タイ)から夢の中で“お告げ”があり、パターのグリップ変更が奏功。得意の4日間大会で“逆転の成田”が4打差を追う。アン・ソンジュ(韓国)が4アンダー首位。

 パットに悩んでいたこれまでの姿はなかった。成田は3番、13番でともに2メートル半のバーディーパットを冷静に沈め、唯一のノーボギーとなる69で3位浮上。過去5回出場で最高40位という苦手大会で「奇跡ですね。この強風の葛城で。跳び上がるくらいうれしい」と表情を緩ませた。

 今季は開幕から4パットが3度と、グリーン上で苦戦した。昨季の平均パット数1・7911(10位)が今季1・8794(47位)に下降し、「3パットを減らそうと練習したのに。スタッツ(部門別データ)を見ると吐き気がする」ほどだった。

 2週前に見た夢の中にヒントがあった。「ジュタヌガーンが出てきて、日本語で『悩んでるの? このパター使ってみな』と言ったんです」。何度か試合で回ったことはあったが「これはお告げかな」と“忠告”を信じた。元世界ランク1位(現2位)が使用する同じタイプの太いグリップのパターを前週から投入し「今週は一度も3パットがない。良いスコアの要因だと思う」と感謝した。

 パッティングの前には「“2パット星人”になる」と心の中でつぶやき戦術を使う。「チャンスでも2パットと思ってやる」。ツアー屈指のショットメーカーは気持ちを楽に持ち、3日間で初めてパット数20台(29)で4打差に追い上げた。

 過去11勝中5勝が4日間大会と長丁場に強い。最終日逆転は7度で、4打差以上の逆転も3度ある。日本勢が開幕からの連勝を5に伸ばせば、11連勝した2005年以来14年ぶり。「いきたいですね。頑張ります」。夢の中とはいえ、米賞金女王2度の名手に日本語を話させてしまう成田なら、不可能なことはない。(岩原 正幸)

 ◆成田の逆転 最終日の逆転は11勝中7度あり、最大差は13年NEC軽井沢72の6打差(6位)から。順位は18年宮里藍サントリーレディスの10位(4打差)からが最大。4日間大会では5勝中2勝が逆転だ。

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