◆女子プロゴルフツアー パナソニックレディース第2日(4日、千葉・浜野GC)
3位から出た永井花奈(21)=デンソー=が3バーディー、ボギーなしの69で通算8アンダー。3位をキープし、首位との差を2打から1打に縮めた。今季からコーチ、トレーナー、クラブを一新して臨み、全9戦出場で予選落ちはなし。新元号・令和初のツアーで、17年10月の樋口久子三菱電機レディス以来の通算2勝目を狙う。70で回った鈴木愛(24)=セールスフォース=ら2人が9アンダーで首位。
夕方から気温が下がり、風が吹く展開でも永井は冷静さを失わなかった。前半2つ伸ばすと、13番は2メートル半のバーディーパットを沈め、16番のピンチも3メートルのパーセーブ。69で1打差3位と優勝戦線に残り、「ボギーなしは良かった。流れを切らさず回れたのは大きい」と胸をなで下ろした。
昨年は8~10月に7度予選落ちするなど賞金ランク22位で、1学年下の黄金世代(勝みなみ、小祝さくら、新垣比菜ら)の活躍に押されがちだった。オフに通算14勝の上田桃子、小祝らを指導する辻村明志氏に弟子入り。「コーチが見てる選手は小柄だけど飛距離が出る」。身長155センチの永井は合宿で素振りを重点的に行い、ショットが曲がらない武器を生かしつつ、ドライバーの平均飛距離を約230ヤードから5ヤード増に着手した。「ドライバーは全体的に良くなっている」と本人も手応えを明かした。
母・裕子さん(53)は「主人(6歳から指導する父・利明さん、51)のアドバイスを素直に聞けなくなっていた時期もあったので、すごく良かった」と目を細めた。さらに今季はプロ4年目で初めてトレーナーを帯同させる。かつて宮里美香や元世界ランク1位のリディア・コ(ニュージーランド)を担当した工藤健正氏と契約。「試合数が多いのでリカバリーや体力アップも必要だと思った」(永井)と、ラウンド前の運動のメニューから辻村コーチと連係して進められる利点があるという。
2月にはヤマハと用具契約を結び、新しいことずくめの21歳は「全てが変わって前のことは考えず、今やることに集中できている」と強調。17年以来となる2勝目の好機に「新しい自分で新しい時代に(優勝)したいというのはあるけど、最初からバーディーを取ってトップについていきたい」と、逆転での令和初大会Vを見据えた。(岩原 正幸)