畑岡奈紗、メジャー最年少3勝 渋野に17差、全英Vは「悔しい。自分も頑張らなきゃ」


優勝を決め、声援に笑顔で応える畑岡奈紗(カメラ・渡辺 了文)

優勝を決め、声援に笑顔で応える畑岡奈紗(カメラ・渡辺 了文)

 ◆女子プロゴルフツアー メジャー第2戦・日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯最終日(15日、兵庫・チェリーヒルズGC=6425ヤード、パー72)

 黄金世代の筆頭格・畑岡奈紗(20)=森ビル=が1イーグル、5バーディー、2ボギーの67で回り、大会記録を更新する通算18アンダー。全選手唯一の4日間60台で2位に8打差をつける圧勝で、20歳245日の最年少メジャー3勝目を挙げた。同じ1998年度生まれの渋野日向子(20)=RSK山陽放送=のAIG全英女子オープン優勝に奮い立ち、直接対決では3勝1敗。渋野は70で1アンダー33位だった。

 圧巻のイーグルで勝負を決めた。畑岡は15番、残り70ヤードの第2打をカップに直接放り込み、バンザイした。「ドキドキが落ち着いた」。元世界ランク1位で同組のフォン・シャンシャン(中国)を寄せ付けず、2度の日本女子オープンに続くメジャー3勝目を飾った。

 目標の20アンダーには届かなかったが、唯一4日間60台をそろえ「攻めのプレーができた。重圧に打ち勝つことができた」。3月以来の国内試合で凱旋V。黄金世代の筆頭は後続に8打差と力を示した。

 今季は3月に米国で優勝し、勢いを持って5大会ある海外メジャーに臨んだが、3大会で予選落ち。「メジャーだけ。なぜかうまく(調子を)合わせていけなくて」。8月の全英は予選落ちし、決勝ラウンドを見ることなく2日間で帰国。「日向子ちゃんが勝って、悔しいと同時に自分も頑張らなきゃという気持ちにさせられた」。初出場で日本人42年ぶりにメジャー優勝した同学年の渋野の活躍に奮起した。

 帰国後すぐ、地元・茨城で約10日間のスイング修正を行った。「いい休みと、いいトレーニングをして、また一から頑張れて良かった」。初心に戻った。母・博美さん(49)は「あまり口には出さないけど、この大会に勝ちたい一心で来たと思う」と明かした。

 ジュニア時代から高め合う同志もいる。8月に世界アマランク1位となった金谷拓実(21)=東北福祉大3年=と今月、都内で日本ゴルフ協会の講習を一緒に受けた。「アジアアマ(26日開幕、中国)で連覇して、また来年もマスターズに出てほしい。これからもお互いに頑張りたい」とエールを送った。

 自身は東京五輪の金メダルと、日本人3人目の海外メジャー制覇を目指す。「さらに強くなりたい。あまり先のことは考えず、今を大事に」。まずは秋の国内3戦で、次の1勝を全力で取りにいく。(岩原 正幸)

 ◆畑岡の主な記録

 ▽最年少メジャー3勝 20歳245日は、09年日本女子プロ選手権の諸見里しのぶ(23歳59日)を更新。

 ▽最年少メジャー2冠 田仁智(韓国)の21歳55日を更新。

 ▽日本人最速の国内ツアー生涯獲得賞金1億円突破 宮里藍の27試合を抜き17試合目。

 ▽最多アンダーパーの大会記録(18アンダー、4日間) 18年申ジエの16アンダーを更新。

 ▽渋野とは3勝1敗 16、17年の日本女子OPは畑岡が、全英女子OPは渋野が制し、2人が同時出場した4試合は必ずどちらかが優勝。

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