鈴木愛、パット入らず8打差17位…渋野との賞金女王争い「違う人に優勝してもらうしか」


2番ティーショットを放ち頬を膨らませる鈴木愛

2番ティーショットを放ち頬を膨らませる鈴木愛

 ◆女子プロゴルフツアー LPGAツアー選手権リコー杯第2日(29日、宮崎・宮崎CC=6535ヤード、パー72)

 賞金ランク3位の渋野日向子(21)=RSK山陽放送=は3バーディー、1ボギーと連日の70で回り通算4アンダー。前半は停滞したが、後半の連続バーディーで3打差3位を死守した。同首位の鈴木愛(25)=セールスフォース=、同2位の申ジエ(31)=韓国=はともに8打差の17位で、逆転で21歳16日の最年少賞金女王が見えてきた。鈴木は「違う人に優勝してもらうしか」と、他力での2年ぶり戴冠を願った。

 鈴木はため息を連発した。5打差10位から巻き返しを誓って出たが、5番で1メートル半を外しボギー。12番は5メートルのバーディーパットがカップをなめた。18番も2メートル半のパーパットが決まらず「腹は立つ。一つ一つは悪くないのに。何をやっても、うまくいかんし。フラストレーションがたまるしかなかった」と怒りが爆発した。

 第1R後は「優勝しか狙っていない」と語ったが、第2Rを終え首位とは8打差に開いた。賞金女王レースで争うランク3位の渋野が3位にいることも警戒し「誰か違う人(渋野、申以外)に優勝してもらう選択肢しかない。自分ではちょっと厳しい」と諦めの言葉を並べた。昨年の優勝スコアだった11アンダーを引き合いに「ちょっと(首位と)離されちゃったし、優勝は10アンダーはいくと思う。チャンスはかなり少ないかな」と漏らした。

バラード聴き怒りを静めて 普段のラウンド後の練習では音楽を聴かないが、この日は練習場で両耳にイヤホンをつけた。怒った時はバラードを聴いて気を休めるのが鈴木流。「アップテンポな曲だと怒りも激しくなるので」。ファンである7人組ダンス&ボーカルグープGENERATIONSの「片想い」などを聴きながら、居残りでパター練習を行った。渋野が引き揚げ最後の1人になったが、その後も約20分間ボールを転がし続けた。

 優勝は遠のいたものの、単独2位以上なら渋野の成績にかかわらず2年ぶりの賞金女王に輝く。「とにかくビッグスコアが欲しい2日間になる」。今季最多の7勝を挙げている第一人者として、このままでは終われない。(宮下 京香)

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