◆女子プロゴルフツアー LPGAツアー選手権リコー杯第3日(30日、宮崎・宮崎CC=6535ヤード、パー72)
17位から出た鈴木愛(25)=セールスフォース=は4バーディー、2ボギーの70で回り、通算1アンダーで首位と6打差12位に浮上した。この日も「良いパットしても、入らない」と怒りをあらわにしながらも大会初のアンダーパーにまとめた。自力の賞金女王は単独2位以上で確定する。2年ぶり女王への重圧と闘いながら、最終日に全てを懸ける。
鈴木は前半に2つ伸ばしたが、11、12番の連続ボギーが許せなかった。11番は3パット。12番は1メートル半を外し、名手は首をかしげた。「グリーンが例年より重い。良いパットしても、少し切れ方が違って入らないのでやりようがない」と、不満をあらわにした。
だが、直後の13番パー5は「追いかける立場なので刻んでも仕方ない」と第2打をグリーン近くに運びバーディー。14番も4メートルのバーディーパットを沈めた。「ボギー、ボギーで自分に腹立つ部分があったので、思い切りやろうと吹っ切れてできた」と、貪欲さを取り戻した。
第2日の後にはピン型のエースパターを引っ張り出し、練習で使用。球を押す感覚を体に染み込ませた。試合ではマレット型を愛用するが、「フィーリングは悪くない」と一定の効果はあった。「パターのせいでもないし、私のせいでもない。芝の生え方がいつもより長く、あと少しで切れたり切れなかったり。コントロールしようがない」と、もどかしさを明かした。
賞金ランク3位で追う渋野が2打差3位で優勝争い中と予断を許さない状況だ。「人のことを願っても仕方ない。自分(のスコア)が良くなるわけでもない」。女王への重圧を問われ、「多少は感じる。少し前は申さんか渋野さんが取ると思っていた人がほとんど。良い意味で期待を裏切り、自分が賞金女王になれたら」と言った。
6打差を追う最終日に向け、「ビッグスコアを出せれば優勝のチャンスもある。悔いなく18ホール回りたい」と前だけを見つめた。(岩原 正幸)