10月の女子ゴルフツアー会場で大会関係者に不適切発言をし、厳重注意などの処分が科された、笠りつ子(32)=京セラ=が11日、3日間行われている日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の新人セミナーに出席し、取材に応じた。
笠は紺色のスーツ姿で真剣な表情で講義に耳を傾けた。「一つ一つ本当に勉強になることで、改めて気づかされることもあり、これからこういう風にしていこうと勉強になりました。昨日、メディア対応の勉強をさせてもらったり、プロアマの時の前夜祭などの対応、会話の仕方も勉強になりました。普段はできないことだったので、これから生かしていきたいと思います」と振り返った。
9日からの新人セミナーは先月プロテストに合格した19歳の選手らもいる。10代で受講して以来という笠は「先輩ですけど、しっかり私も勉強して、今32歳になって、やっと気づくこともある。背中で、というかお手本になる行動を取っていきたい。しっかりやっていきたい」と話した。
今月初めには自身のファン約30人とも会い、騒動についての謝罪も行ったという。「待っていてくれたファンの方にしっかり伝えました。(ファンから)『こういうことがあったけど、しっかり反省して、またりっちゃんの笑顔を見せて』と背中を押してもらえてよかったです」と明かした。
ツアー出場自粛中の周囲の支えにも改めて感謝の気持ちを示し、「(周りからは)『今(ゴルフを)辞めたら逃げることになる』と言ってもらった。これを転機だと思って、これからしっかりやっていきたい。私自身変わるチャンスをいただけた。感謝している。今回こういう風に(名前が)世に出たことで、私も(自分を)見つめ直す時間があったし、新たに強く優しい女性になれたらいい」と誓っていた。
◆笠の騒動経過
▽10月 NOBUTA GROUP マスターズGCレディース(24~27日)の週に、会場で大会関係者に不適切な言葉を浴びせる。大会側はこれまでクラブハウス内の風呂場にタオルを設置していたが、なくなることが多くなり設置を中止。理由説明を求めた際に不適切な発言をした。
▽同31日 「お詫びと今後の活動についてのご報告」と題した直筆の文面で当面のツアー出場自粛を発表。
▽11月11日 LPGAによる懲戒諮問委員会と理事会が開催。
▽同12日 厳重注意処分を科され、3日間の新人セミナー受講が義務づけられる。
▽同19日 一身上の都合で欠場した大王製紙エリエールレディス(愛媛)のコースで涙の謝罪。引退も考えたことを明かした。
◆笠 りつ子(りゅう・りつこ)1987年11月14日、熊本・菊池郡生まれ。32歳。ゴルフ場を経営する父の影響で9歳からゴルフを始める。東海大二高卒業。2006年にプロ転向。10年に初シードを獲得。11年にニトリレディスで初優勝。16年には日本人最上位となる賞金ランク3位に入る活躍。今季は約3923万円を獲得し賞金ランク30位。通算5勝。160センチ、58キロ。