幡野夏生がティーチングプロ目指すわけ…1次予選会出場権が魅力 申し込み半数がツアープロ志望者


ティーチングプロでの入会も模索する幡野夏生(本人提供)

ティーチングプロでの入会も模索する幡野夏生(本人提供)

 日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のティーチングプロの受講審査が今月中旬からオンライン面接でスタートする。今年度は例年の約3倍となる62人が申し込み、うち約半数をツアープロを目指す選手たちが占める異例の構成になっているという。その一人、単年登録でツアーに参戦し活躍した経験を持つ幡野夏生(22)=フリー=が7日までにスポーツ報知の電話取材に応じ、応募の理由などを語った。

 ティーチングプロになるには審査、実技、講習などを経て、3年がかりで200万円を超える費用を要する。なぜ、将来のプロテスト合格を目指す選手たちの応募が殺到したのか―。資格取得となれば、23年に正会員としてJLPGAに入会できる。その後、同年末に行われる24年のツアー出場権を懸けた1次予選会(QT)に出場できるとあって“裏ルート”としても注目されている。

 昨年の制度変更で、正会員でないとQTが受けられず、いわゆる“ツアー難民”が発生。これまでプロテストに4度不合格となった幡野は「3年後にQTを受けられるので、絶対(ティーチング資格を)取っておいたほうがいいと思った」と語った。もちろん、来年3月以降に予定される次のプロテストに向け、「合格の20人に入る実力をつけたい」としながら「ツアーの扉を開きたい」と切実な思いを明かした。ティーチング会員でレギュラーツアー優勝者は、16年に1勝した福嶋浩子(42)の例がある。(岩原 正幸)

 ◆制度変更 18年まではJLPGAの非会員でも、QTで上位なら単年登録で翌年のツアーに出場できた。制度変更後の昨年プロテストでは、合格ラインから2打差以内なら1次QTに出場できる措置が取られた。だが、37位だった幡野の場合、QTの道が閉ざされ、下部ツアーにも出られず推薦出場もできない。現在は来年に延期された5度目のプロテストを目指しながら、日本女子オープンの予選に臨んでいる。

 ◆幡野 夏生(はたの・なつき)1997年8月26日、横浜市生まれ。22歳。父の影響で10歳からゴルフを始める。東京・堀越高在学中の15年9月に韓国ツアーでプロデビュー。日本ツアーデビュー戦となった18年フジサンケイクラシックでは初日にホールインワンを達成し、賞金800万円を獲得。ツアー最高位は昨年富士通レディースの5位。祖父はプロ野球・阪神でプレーした幡野和男さん。160センチ。

最新のカテゴリー記事