◆米男子プロゴルフツアー メジャー初戦 全米プロ選手権 第2日(7日午前7時スタート、米カリフォルニア州TPCハーディングパーク=7229ヤード、パー70、賞金総額1100万ドル(約11億6000万円)、優勝198万ドル(約2億900万円)、参加156人)
48位で出た松山英樹(28)=LEXUS=は4バーディー、1ボギーの67と伸ばし、通算3アンダーで首位と5打差の16位へ浮上した。日本男子歴代5番目に並ぶ通算30度目のメジャー出場で、大会8年連続の予選通過。タイガー・ウッズ(44)=米国=並みの安定感を武器に、日本男子初のメジャー制覇に挑む。初日90位の石川遼(28)=カシオ=は70と伸ばせず、2オーバーで決勝ラウンド(R)進出に1打届かず。65をマークした李昊桐(25)=中国=が8アンダーで単独首位に立った。
日本のエースが大舞台でも、持ち前の修正力を発揮した。初日に暴れた松山のティーショットは見事に復調した。穏やかな天気の午前スタートで、着実にスコアを伸ばした。前日21・43%で152位だったフェアウェーキープ率は42・86%(76位)まで回復。無観客の中で心地良い打球音を響かせ、「やろうとしていることができ、ドライバーショットが少しマシになったので楽にはプレーできた」と安どの表情だった。
出だしの10番で2メートル弱のチャンスを作り、きっちり沈めてバーディー発進。危なげないプレーを続け、18番は残り164ヤードの2打目を1メートル半につける松山らしいバーディーで伸ばした。
通算30度目のメジャーで25度目の決勝R進出。予選通過率83・33%は歴代日本勢(30戦以上)では断然トップ。ドライバーからパターまで穴がなく、ウッズの84・70%と遜色ない驚異的なデータだ。どんな難コース、難設定にも対応できる幅のある技術と練習量、体力は世界最高峰の舞台でも屈指といえる。
第1日のプレーを終えたのは午後6時すぎ。第2日は早朝スタートのため、練習場で打ち込む時間はなかったが、「やりたいことが、先週からやっていることで。なんでそうなっているのか、昨夜考えた」と松山。前週の大会中にドライバーショットに関して、定期的に助言を仰ぐ世界的名コーチのピート・コーウェン氏(69)=英国=の指導を受けた。「以前のように、手を真下に落とすようなイメージでダウンスイングを始めた方が体の正面でインパクトを迎えるのでは」などと助言をもらい、それを頭の中で整理し、2日目に臨んだ。
米ツアー参戦8年目の28歳。日本男子最多5勝を挙げ、進化を続ける日本の怪物は「もう少し自信を持ってパットを打てれば(勝つ)チャンスはある」と確かな手応え。首位と5打差。積み上げてきた知識と経験で、日本男子悲願のメジャーVをつかむ。