渋野日向子34ホール目で初バーディー「やっと出て、笑いが出ちゃいましたね」初リンクスは+14予選落ち


 ◆欧州・米国女子プロゴルフツアー スコットランド・オープン 第2日(14日、ルネサンスクラブ=6453ヤード、パー71、賞金総額150万ドル(約1億5900万円)、優勝22万5000ドル(約2385万円)、参加144人)

 第1ラウンド(R)の残りと第2Rが行われ、初日で首位と12打差の125位と出遅れた渋野日向子(21)=サントリー=が16番パー5(529ヤード)でようやく今大会初となるバーディーを奪った。実に今大会34ホール目だった。残り50ヤードの第3打、アプローチでピン30センチに寄せてバーディー。「この近いバーディーパッチは今週初めてだったので、すんごい気持ちを込めて打ちました。やっとバーディーが来て、もう何だろう…笑いが出ちゃいましたね。34ホールかかりましたからね。いや~しんどかった」といつもの笑顔に戻った。

 第2Rは1バーディー、5ボギー、1ダブルボギーの77と伸ばせず、首位とは19打差に開き、通算14オーバー、132位で予選落ち。22位で出たステーシー・ルイス(35)=米国=が66をマークし、1打差の2位から出て69で回ったアサハラ・ムニョス(32)=スペイン=と5アンダーで首位に並んだ。

 昨年のメジャー、AIG全英女子オープン覇者の渋野は、自身初で「未知数」だったリンクスコースで洗礼を浴びた。1番の第1打を曲げてラフにつかまると、第3打のアプローチで寄せられず、約4メートルを決めきれずボギー発進。4番、5番で連続ボギーの後、折り返した10番パー5。ラフからの3打目をミスし、4オン2パットでのボギー。11番も連続ボギーで落とした。15番パー4では3打目のアプローチを「カツン」と打ってしまい、オーバー。4打目もミスショットし、約5メートルのパットも沈められず、痛恨のダブルボギーをたたいた。だが、16番で今大会で初のバーディーを奪い、バウンスバックを見せた。

 ホールアウト後のオンライン会見で、渋野は「昨日よりショットはマシでしたけど、スコアは自分の責任です。(キャディーの青木翔コーチとは)『まあ、こうなるよね』と話はしていました。私の今の技量やスイングでは『まあ、かなわないよね』と。でもその中で『英国のために練習してきた転がすアプローチやクッションを使うアプローチがちょっとできていたね』とプラスの話もできた。あと『そこは収穫だね~』と」と振り返った。

 今大会は6月に出場した日本ツアーのアース・モンダミンカップに続いて無観客試合となった。昨年の全英では“スマイリング・シンデレラ”と呼ばれ、多くの観客を味方につけてスコアを伸ばしたが、「去年の自分を考えたら、やっぱりギャラリーさんがいてくれた方がいい意味ですごい調子に乗るというか…アース―でも今回も、波に乗ることもできなかった。そう考えると、ギャラリーさんがいてくれるありがたさはすごい感じました」。大会中もSNSをチェックしていたといい、「夜中まで起きて見てくれている方もいました。あんだけたたいて、みんなどう思うのかな?と思ったけど、応援してくれるプラスなコメントもたくさんあった。そういうのを見ると、遠くからでも応援してくれるのってありがたいなと感じて、それをずっと思いながら、今日も回っていたけど…いや~情けなくて申し訳ないなと思います」と感謝の思いを口にした。

 次戦は連覇が懸かる全英となる。今大会と同様でラフが長く、深いポットバンカーも多くひそむ海沿いのリンクスコースが舞台だ。日本勢初の大会連覇へのプレッシャーも感じていると明かし、「今、私が直せるのはやっぱり、グリーン回りかなと思う。皆さんから見ても、私的にも、来週がかなり大事になると思うので、練習したいですね」と表情を引き締めていた。

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