金谷拓実、ローアマ宣言…ゴルフ全米オープン準備は「YouTube」でコース確認 


全米オープンに向け、抱負を語った金谷拓実

全米オープンに向け、抱負を語った金谷拓実

 男子プロゴルフのメジャー、全米オープンは17日から4日間、米ニューヨーク州のウィングドフットGC(7477ヤード、パー70)で行われる。世界アマチュアランク1位のインタビュー金谷拓実(22)=東北福祉大4年=が、日本人アマとして3人目の出場。日本人アマ初となる3大会目のメジャーに向け、15日までにスポーツ報知のインタビューに応じ、コロナ禍での飛距離アップと日本人初のローアマ獲得への思いなどを語った。(取材・構成=榎本友一)

 昨年のマスターズ、全英に続き、日本人アマ初のメジャー3大会出場。学生最終年を迎えた金谷は、“3度目の正直”に燃えている。

 「やっぱり出るだけじゃなく、結果を残したい。過去2回はローアマを取れてない。おそらく(アマでの)メジャーは最後のチャンスになるだろうから、ローアマを目指して頑張りたい」

 全米オープンは幼少時からテレビで見てきた夢舞台だ。2013年大会、当時大学4年だった先輩・松山英樹のセンセーショナルな活躍も目に焼き付いている。

 「いつも優勝スコアがイーブンパーやオーバーパーとか。すごいタフなイメージ。楽しみもありちょっと不安もある。13年大会はよく覚えています。松山さんが最終日ベストスコアを出して10位に入った」

 過去2度のメジャー同様、今大会も松山に一緒の練習ラウンドをお願いした。

 「いろんなものを見て、学んで、盗んでいきたい。自分も、松山さんみたいになりたいと思っているので」

 大学生アマは今風の若者らしい“予習”をしてきた。

 「(今回と同会場の)06年大会の映像をYouTubeで見ました。本当にきついコースだなと思いながら。ラフは深いし、コースも(左右に)ドッグレッグしているホールが多くて、ティーショットをフェアウェーに置くことが、重要になるかなと思いますね」

 昨秋以降、飛距離アップに取り組み、昨年11月の三井住友VISA太平洋マスターズで国内男子ツアー史上4人目のアマ優勝を果たした。

 「飛距離はすごい魅力だし、練習場で体の使い方とかを意識してやってきました。大学の先輩のドラコンプロ・和田正義さんのYouTubeを見ながら勉強していました。結構、飛ぶようになっています。冬までボールスピードの初速は秒速75メートルでしたが、77・2メートルまで上がってきました」

 コロナ禍で大学生活や練習にも影響が出ていた。

 「3月の大学の豪州合宿が中止で、4月末からは学生の大会も中止。大学も休講になり広島の実家に帰りました。5月からはオンライン授業を受け週に2、3回打ちっ放しで練習。高校の時にお世話になった広島・呉市の郷原CCで1か月半くらい週1、2回はコースで練習させていただきました」

 渋野日向子や畑岡奈紗ら「黄金世代」と同じ1998年度生まれ。世界NO1アマの「マーク・マコーマックメダル」を日本人で初受賞したが、アマの国際大会で競った海外の宿敵は、米ツアーで優勝している。

 「マスターズで同じ部屋に泊まったビクター・ホブラン(ノルウェー)やコリン・モリカワ(米国)、ジュニアの試合で一緒に出ていたホアキン・ニーマン(チリ)も優勝している。もう22歳。元世界アマランク1位だから、結果や将来が保証されているわけではない。やるべきことをやらないと彼らの後を追っていけないし、結果も出せない。しっかり自分自身を磨いていかないといけない」

 ◆金谷 拓実(かなや・たくみ)1998年5月23日、広島・呉市生まれ。22歳。5歳でゴルフを始め、広島国際学院高2年時の日本アマ選手権で17歳51日の大会最年少V。同年の日本オープン11位で大会最年少ローアマ。17年日本オープンも2位でローアマを獲得。18年アジア・パシフィック選手権で優勝。海外メジャーの19年マスターズ58位、全英オープンは予選落ち。昨年8月、日本人では松山英樹以来2人目の世界アマランク1位に。東北福祉大ゴルフ部主将。172センチ、73キロ。家族は両親と兄。

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