【諸見里しのぶの目】原英莉花V 世界と戦える心技体


18番、優勝を決めガッツポーズをする原英莉花(代表撮影)

18番、優勝を決めガッツポーズをする原英莉花(代表撮影)

 ◆女子プロゴルフツアー メジャー第2戦・日本女子オープン 最終日(4日、福岡・ザ・クラシックGC=6761ヤード、パー72)

 原選手と小祝選手の最終日最終組のプレーは本当にハイレベルで、非常に見応えがありました。小祝選手が中盤から良いショットを連発して攻めているのに、原選手も負けじとチャンスに付けバーディーパットを入れ返して、一度も首位を譲らなかった。今大会の原選手には、世界でも十分に通用する心技体の高いポテンシャルを感じましたね。

 心 初日からずっと攻めながらも「攻めてミスにつながらないように」と言い聞かせていた。ピン位置が難しく、どこからパットを打つかの見極めが求められる中、冷静なマネジメントでしっかりと攻守のメリハリができていたのが勝因でした。自身初めて首位で迎えた最終日に4打差があっても、最後まで攻め抜いた。精神的な強さがないとできません。

 技 今大会は小技がさえていました。今日の13番など、大事な場面でチップインバーディーを決めた。昨日は8~12メートルくらいのロングパットも沈めてスコアを伸ばした。パットは前週、機械で計測してボールにバックスピンがかかっていたのを、真っすぐ打ち出すために順回転に修正。また手元を下げて、肩でストロークするようにして、日ごとに硬さと速さが増すグリーンに対応できていました。

 体 大会史上最長6761ヤードの設定で通算16アンダーでの優勝。世界的に飛距離が伸びる中、173センチの体格と飛距離はものすごく魅力です。最終日416ヤードの長いパー4の14番で、深いラフからピッチングウェッジでの第2打をグリーンに乗せてきた。パワーがないとできない一打でした。

 米ツアーで活躍するには、もう一つ上のレベルの強さが求められます。原選手は米国で必要な高い球を打って、硬いグリーンでも球を止めることができる。この優勝が自信になって、海外での活躍もぜひ期待したいですね。(07年大会覇者、女子プロゴルファー)

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