日本オープンで３位に入った内藤寛太郎（左はキャディーの原田真由美さん）
◆内藤寛太郎（３８）＝ロピア＝初出場＜日本オープン３位＞
一時はゴルフショップに勤め、研修生もしていたプロ１５年目の３８歳が、ツアーの王者の中の王者を決める大会にたどり着いた。内藤は１０月のメジャー、日本オープンで３位に入り、初の日本シリーズ出場権を獲得。「プロになって一度は出てみたいと思っていた大会。うれしい」と目尻を下げた。
昨年１２月の最終予選会２１位で今年のツアー出場権を獲得した。「そこそこ試合に出られるから頑張りたい」と一念発起して１月、２月にハワイとグアムで合宿を敢行。東北福祉大ゴルフ部の先輩・谷原秀人とのラウンド練習で「ショートゲームを学んだ」と収穫を得た。
迎えた今年のツアー初戦、９月のフジサンケイクラシックで自己最高の７位。躍進のきっかけは「帯同キャディー」にもあった。昨年までは試合の攻め方は自己流で「大きなクラブでがむしゃらにピンを狙っていた」と笑う。松山英樹の前キャディーで東北福祉大ゴルフ部の先輩・進藤大典氏から、帯同キャディーとの転戦を勧められたのが転機となった。
日本オープンでは進藤氏の紹介で、プロキャディーの原田真由美さんに担いでもらった。「ミスしてもボギーが出ないマネジメント」を授かり、パーキープ率は全体２位の８７・５％。日本最高峰の大会で堂々の３位。「日本シリーズも原田さんにお願いしたい」と内藤。二人三脚でツアー初Ｖを狙う。（榎本 友一）
◆内藤 寛太郎 （ないとう・ひろたろう）１９８２年５月２０日、福島・郡山市生まれ。３８歳。１４歳からゴルフを始め、東北福祉大卒業後の０６年にプロテスト合格。０８年の静ヒルズトミーカップで下部ツアー初優勝。１０、１１年アジアンツアーに参戦。１３年の下部ツアー、エリートグリップＪＧＴＯチャレンジ３で優勝。昨年の最終予選会２１位の資格で今季は参戦中。１７２センチ、７４キロ。家族は両親と妹２人。