女子ゴルフの元世界ランク1位で2017年限りで現役を引退した宮里藍さん(35)が30日、自身が手掛けるジュニア向けイベント「宮里藍インビテーショナル byサントリー オンラインイベント」(29日に開催済み)終了後のリモート取材に応じた。
宮里さんは参加したジュニアゴルファー27人に向けて、「自宅でできる練習法やメンタルの整え方」についてオンラインで伝えた。第1回は、昨年9月にジュニア大会の「宮里藍インビテーショナル」を宮城県内で開催していた。今回はオンラインのため、「第1・5回」というタイトルがつけられ、「昨年大会に出場した選手たちが、今どういう状況になっているのか気になっていたので、こういう形でやらせていただいた。来年向けて“半歩前”に進むということ」と説明した。
コロナ禍の過ごし方など悩みを抱えるジュニアたちの質問に答えた宮里さんは、「率直にやれたことがうれしかったし、オンラインを通じて会話をすることができて、たくさん質問がきた。選手たちのエネルギーを感じ、やってよかった」と感想を語った。
技術以外にも、ゴルフにおいて大事なモチベーション面、「何のために自分はプレーするのか」といった要素についても力説した。宮里さんは「スピリットオブゲーム=ゴルフ精神」という言葉を使い、自身の経験を踏まえ、「引退するかどうか、迷っていた28、9歳の頃、ゴルフ精神の部分で、自分は何のためにプレーしているのか、かなり葛藤した。そこが軸としてはっきりしていないと、パフォーマンスや向上心にもつながらないと実感した。選手たちにも理解してもらいたかった」と振り返った。
「(現役の)最初は自分のためにプレーしていて、うまくなりたい、強くなりたい、勝ちたいと。後半の方は応援してくれる方たちの期待に応えたいと、自分以外の方、スポンサーさんや家族、周りの人たちのためにとモチベーションの種類が変わっていく時期もあった」と続けた。
現状について「私自身は引退して、ジュニアの選手たちと一緒に成長していきながら、自分の視野を広げたいというモチベーションがある」と語った。ジュニアたちに向けては「自分自身のやりたいことを信じてほしい」と呼び掛けた。
29日に年内最終戦を終えた国内女子ツアーにも言及し、「いろんな選手が入れ替わり立ち替わり出てきて選手の層が厚い。私は(身長155センチと)小柄なので、自分と同じような選手に目が行く。古江彩佳さん、西村優菜さんといった小柄な選手が活躍している。今、このパワーゲームの時代に活躍できるっていうのはすごい。それだけスキルがある」と絶賛していた。