“黄金世代”小斉平優和、22歳最年少Vへ首位タイ 渋野日向子、金谷拓実ら「同世代には負けたくない」


10番でティーショットを放つ小斉平(カメラ・宮崎 亮太)

10番でティーショットを放つ小斉平(カメラ・宮崎 亮太)

 ◆男子プロゴルフツアー 最終戦メジャー 日本シリーズJTカップ 第2日(4日、東京・東京よみうりCC=7023ヤード、パー70=報知新聞社主催)

 米下部ツアーを主戦場とする22歳がトップに立った。首位と4打差の10位で出た小斉平(こさいひら)優和=太平洋クラブ=は7バーディー、1ボギーで、この日のベストスコア&ツアーでの自己最少に並ぶ64。通算8アンダーで通算4勝のチャン・キム(30)=米国=と並び首位に浮上した。今季賞金ランク23位の資格で初出場のホープは、大会史上最年少Vと1999年の日本ゴルフツアー機構発足後、初となるシードを持たない選手による日本シリーズ制覇の偉業に挑む。

 初出場の小斉平が、優勝争いに名乗りを上げた。535ヤードの17番パー5。第1打はドライバーでフェアウェーを捉えると、第2打は9アイアンでピン左奥10メートルのカラーへ。イーグルこそ逃したが、この日7つ目のバーディーを奪った。フェアウェーキープ率100%、パーオン率83・33%でともに全体1位の会心プレー。この日のベストスコア64で首位に躍り出た。「めっちゃ楽しかった」と満足げに笑った。

 今季は、昨年の予選会30位の資格で米下部ツアーに本格参戦した。バハマ→パナマ→コロンビアと国をまたいだ大移動も経験。新型コロナの影響で6月に再開した後は、日本ツアーも出場するため、日米を5度往復した。米下部ツアーでは今季18試合に出場し「コースは高低差がすごかったり、グリーンも日本とは全然違って難しい」と難コースで試行錯誤を重ねた。「昨年までは全部ピンを狙っていたけど、今は攻めるところ、そうでないところのメリハリをつけられるようになった」。米国で学んだマネジメントで、今大会の難コース攻略につなげている。

 1998年5月22日生まれの22歳。同い年で誕生日が1日遅い金谷拓実は、昨年11月にアマとしてツアー初優勝。今年10月のプロ転向後は、11月のダンロップフェニックスで2勝目を挙げた。女子では畑岡奈紗(21)、渋野日向子(22)ら“黄金世代”と呼ばれ、活躍が目立つ年代だ。「金谷君の優勝は悔しかった。同世代には負けたくない」と刺激を受けている。

 幼少時からタイガー・ウッズ(米国)に憧れを抱き、夢はでっかく「米メジャー制覇」。来年1月に米ツアー、ソニーオープン(米ハワイ州)のマンデー予選会に出場予定。同2月には米下部ツアーに参戦する見込みで、来年以降も海外で戦う。今大会優勝なら3年シードが与えられるだけに「(日本ツアーの)シードを確定させて、今後も米国でやりたい」とプランを描いた。

 73年のツアー制施行後では、81年大会の羽川豊の23歳363日を更新する大会史上最年少優勝へ突き進む22歳。「よく“こさいだいら”って読み間違えられるんです。名前を売りたいですね」。残り2日間、メジャーの舞台で強烈なインパクトを残す。(宮下 京香)

 ◆米下部ツアー 1990年設立。タイガー・ウッズ、松山英樹らがプレーする世界最高峰のPGAツアーの下部にあたる。米人材コンサルティング大手の会社とスポンサー契約を結び、19年6月から正式名称は「コーンフェリーツアー」。若手やランキング下位の選手育成を目的とする。今年は1~10月まで予定が組まれていたが、コロナ禍で3~6月の10試合が中止に。1試合あたりの賞金総額は日本円で1200万円ほど。

 ◆小斉平が優勝したら達成する主な記録

 ▼大会最年少優勝 1981年の羽川豊の23歳363日を更新して最年少。

 ▼大会初出場V 16年の朴相賢(韓国)以来13人目。

 ▼シードを持たない選手の今大会制覇 1999年の日本ゴルフツアー機構発足後では初めて。

 ▼ツアー初優勝が日本タイトル 1973年のツアー制施行後では、19年6月の日本ツアー選手権森ビル杯の堀川未来夢以来27人目。

 ◆小斉平 優和(こさいひら・ゆうわ)

 ▼生まれ 1998年5月22日、大阪・高槻市。22歳。

 ▼ゴルフ歴 3歳の時に父の影響で始め、2011年つるやオープンでツアー初出場を果たす。茨城・日本ウェルネス高3年時の16年に日本ジュニアと関西アマ優勝。同年12月にプロ転向。18年は米ツアー中国シリーズに本格参戦。今季は米下部ツアー18試合、日本ツアーは今大会を含め4試合に出場した。

 ▼イバラの道 18年の日本ツアー出場権を懸けた予選会の申し込みをし忘れたことで、同年は米ツアー中国シリーズに本格参戦。賞金ランク4位に入り、米下部ツアーへの道を開いた。

 ▼得意クラブ パター。

 ▼マイブーム スターバックスのフラペチーノを飲むこと。

 ▼家族 両親。

 ▼サイズ 180センチ、88キロ。

 ◆珍名 「小斉平」という名字は全国約320人。小斉平の父方の祖父母の出身地、鹿児島市に多い。「初対面の人にはまず何て読むの?と言われるし、これまでにちゃんと読めた人はいないですね」という。

最新のカテゴリー記事