渋沢莉絵留、“青天を衝き”2差5位発進 渋沢栄一遠縁が“大河”チャージで初V目指す


17番ショートホールで、桜をバックにティーショットを放つ渋沢莉絵留。初日4アンダー5位の好スタートを切った(カメラ・今西 淳)

17番ショートホールで、桜をバックにティーショットを放つ渋沢莉絵留。初日4アンダー5位の好スタートを切った(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー ▽ヤマハレディース葛城 第1日(1日、静岡・葛城GC山名C=6564ヤード、パー72)

 「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一と遠縁の渋沢莉絵留(りえる、20)=清水建設=が5バーディー、1ボギーの68で回り、首位と2打差の5位と好スタートを切った。今年のNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」は栄一が主人公。「毎週、見ています」という莉絵留が、今週の“主人公”を目指す。今年4戦2勝の小祝さくら(22)=ニトリ=、「黄金世代」の高橋彩華(22)=東芝=、山下美夢有(19)=加賀電子=が66で首位に立った。

 4月の“青天”の下、渋沢のショットがピンを“衝いた”。11番パー3。この日の実測距離は106ヤード。ピッチングウェッジで放たれた第1打は、ピンそば10センチにピタリと寄った。もう少しでホールインワンのスーパーショットだった。

 「攻めるところは攻める、守るところは守る。コースマネジメント(戦略)が良かった」。名匠・井上誠一氏が設計した難コースを68で回り、自己最高の初日5位スタートを決め、笑顔を見せた。

 今年、渋沢の力になっているのが、「遠縁と聞いている」栄一の存在だ。埼玉・深谷市出身の栄一を主人公とした大河ドラマ「青天を衝け」を、毎週日曜夜に欠かさず視聴。「興味があります。方言が実家がある群馬(太田市)と似ていますね」と、笑顔で話す。さらに栄一のビジネス本にも挑戦。「難しかった」と苦笑いしつつ、「人柄が尊敬できます」と、うなずいた。

 3月15日に大手総合建設会社の清水建設と所属契約を結んだ。渋沢栄一は銀行、ホテル、鉄道など多くの企業の創立や近代化に携わっており、清水建設も、その一つ。1887年から1916年まで相談役を務めた縁があり、歴史的な“渋沢契約”と言える。

 プロデビュー戦となった昨年9月の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯では、第2日に2位に浮上したが、第3日と最終日にスコアを落とし、31位。しかし、その主な要因は技術面。「体力面は心配していません。中学時代は陸上部で短距離をしていて、今も走ることが趣味なので、体力があります!」と、20歳は元気いっぱい。今週の日曜。栄一と同じく、莉絵留が主人公を狙う。(竹内 達朗)

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